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zoom RSS 「最賃」の意味と運動激変を労組は知るべき

<<   作成日時 : 2016/05/18 06:37   >>

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昨日の「最低賃金をいますぐどこでも時給1000円に! 時給1500円をめざす院内集会」には、様々考えさせられた。政党は、レイバーネットなどの写真でもわかるように民進、共産、社民、生活の各議員が積極的に発言し、労働者からも青年ユニオン・介護、長野一般ファミマ、郵政ユニオン、東部労組メトロコマースがそれぞれ切実な訴えを行った。河添誠さんのツイッター で「史上初の潮流を超えた労働組合が呼びかける最賃問題での集会」は過大評価だが、小田川全労連議長と金沢全労協議長が並んで座っている姿は良いことなのに、やはり連合関係者が少ない。自分も含めこれまで最賃に関わり続けてきた業界関係者は、深く反省すべきなのだが…。

最賃審議会は地賃でも使側との激しいバトルが続いてきた。それでもかつて行政が資料として提出する最賃適用率は0.01%以下だった。東京では三多摩や島しょのごく一部でしか最賃引き上げが影響する事業所は無かった時代が長く続いていた。しかしまったく雇用状況は激変している。あのJPでも、「最賃が上がることで賃金があがる。それが楽しみだ」との発言がでる。補助労働どころか、世帯主など主要な家計の担い手が最賃で働く事態になっている。

東海林さんの毎日新聞記事には<最低賃金 野党議員「引き上げは参院選の中心課題」>との見出しが付けられていた。しかし、猛省すべきはナショナルセンターなど労働組合なのだと痛感する。なお、東海林さんの記事は以下の通り。

>非正規労働者を組織する個人加盟の労働組合などが17日、東京・永田町の国会議員会館で最低賃金の大幅引き上げを求める集会を開いた。参加した民進、共産など野党4党の議員から「格差と貧困が広がる中、最低賃金は参院選の中心課題」という発言が相次いだ。
 下町ユニオンや首都圏青年ユニオンなど個人加盟労組を中心とする「最賃大幅引き上げキャンペーン委員会」が集会を企画。「今すぐ1000円(時給)とし、1500円を目指す」と訴えている。
 日勤と週1回泊まり勤務で月収15万円という介護職の女性(36)は「肉体的にも精神的にもきついが、お金の不安は尽きない。時給が1500円になれば少しは安心した生活ができる」と訴えた。非正規で郵便配達をする男性は「職場の全員が非正規で独身の30〜40代男性だ」と窮状を語った。最低賃金で安倍晋三首相が表明した年3%ずつ1000円への引き上げでは、1000円到達は2023年。労働側は「今すぐ1000円」と訴えている。【東海林智】 (毎日新聞2016年5月17日)


連合本部が無理であるならば、連合加盟産別からの参加があって然るべきではないか。特に官制ワーキングプアが問題になっている自治労からは参加し、発言し、「労組は共闘」の姿勢を示すべきではなかったか。残念ながら山井さんは国会業務で参加できなかったが、集会で発言した初鹿明博衆院議員(民進党)/小池晃参院議員(共産党)/吉田忠智参院議員(社民党)/福島みずほ参院議員(社民党)/山本太郎参院議員(生活の党)の発言内容と姿勢は実に良かったし、「野党は共闘」が実体化しつつあることを示していたからなおさらだ。

レイバーネットの記事をそのまま使わせていただくと、この集会でミニ講演した猪股正弁護士は、「欧米と比較しても日本の最賃は低すぎ。現在、加重平均で時給798円、年収で166万円しかない。これは、家計補助の主婦パートを想定したもの。いまは非正規労働者が4割を占める時代になり、この人たちが最賃ぎりぎりで働かされている。働き方が変化したのに最賃制度が追いついていない。アメリカでは15ドル(1688円)運動が発展しているが、日本でも最賃の大幅アップが必要だ」と強調した。労働運動としての「最賃闘争」が大きく問われているのに、まだまだ労組自身が理解しきれていない。

レイバーネットの記事は添付に留める。写真を含め、直接読んで欲しい。

>非正規の生活ボトムアップへ!〜最賃引き上げも「野党は共闘」(レイバーネット 2016.5.17)
http://www.labornetjp.org/news/2016/0517shasin

この間触れ続けている「古賀講演」では最賃の話はまったく出てこなかった。もちろん「雇用の劣化(非正規雇用の増大、過重労働など)」にはふれ、「高度成長の中のシステムが残存し、変わるべきなのに変わっていない」とも語られた。しかし、それは「労働組合というシステム」にそのまま突きつけられている…。

今日の学習は、以下の3本。日本における論考が少ないのも悩みだ。

【韓国】低時給6030ウォン、公共機関の46%が守らず 政府主導の青年雇用事業、修習期間に公務員の最低賃金を守らない(レイバーネット 2016.5.12)
http://www.labornetjp.org/worldnews/korea/issue/poverty/1463504540014Staff
 全国の地方自治体の46%が最低賃金法に違反していることが明らかになった。 昨年、同じ問題が指摘されたが、最低賃金法に違反した地方自治体は、むしろ増えた。 模範になるべき公共機関に対する叱責の声があがっている。
 全国民主労働組合総連盟(民主労総)は5月12日午前、 ソウル市中区の民主労総大会議室で「公共部門の最低賃金法違反の実態とリスト」を発表した。 全国地方自治体241か所を対象として今年の歳出事業明細書に出てきた非正規職(無期契約職、期間制労働者)の人件費を分析した。 資料がない世宗市と済州道は調査の対象から除外した。
 調査の結果、全国の地方自治体241のうち112の自治体(46.4%)で最低賃金法違反事項を発見した。 仁川、忠北の2つの広域自治体と15圏域の地方自治体110か所で最低賃金法に違反していた。
 労働部の是正措置は全く効果がなかった。 昨年、民主労総に摘発された72の地方自治体のうち35は今年も最低賃金法に違反していた。 先立って昨年10月、労働部は約150の地方自治体に対し独自調査に着手した。 61の地方自治体で最低賃金違反事実を摘発して是正措置を行ったが、 今年、最低賃金に違反していた地方自治体の数は増加した。
 今年の最低賃金基準によれば、 △日給(8時間労働)4万8240ウォン、 △月給(法定勤労時間209時間基準)126万270ウォン、 △月給(所定勤労時間226時間基準)136万2780ウォン、 △月給(所定勤労時間243時間基準)146万5290ウォン以上を支払わなければならない。
 違反内容の中には、政府が押し通した青年雇用事業も含まれていた。 今年、慶北道義城郡の経済交通課は青年雇用創出の名目で2億を編成した。 青年20人に対して月給125万ウォンを8か月間支払うという計画だ。 法定勤労時間の月間209時間働くとすると、これは最低賃金違反だ。 民主労総は「政府が青年雇用創出を言い訳として暴力的に労働法改悪を押し通して作った青年雇用は、 非正規期間制雇用であるばかりか、最低賃金にも満たない賃金を編成している」とし 「青年雇用創出事業の虚構性が再度度確認された」と明らかにした。
 公務員さえ最低賃金を受け取れなかった事例もあった。 京畿道議政府市の総務課の記録を調べると、新規任用候補者に対して9か月の修習期間を適用した。 基本給と職級補助費として受け取る月給は113万1240ウォン。 最低賃金の算入範囲に入らない食費や時間外勤務手当てを除いた金額だ。 3か月間適用される最低賃金法上、修習期間も違法で、月給も最低賃金に満たなかった。
 民主労総は、公共部門の最低賃金違反の事態を政府が迅速に解決しろと主張した。 民主労総は記者会見文で 「懲罰的賠償制度を導入するという政府は、公約と逆行する最低賃金違反の現実に責任ある回答を出せ」とし 「公務員賃金体系と共に、公共部門の非正規職賃金基準を引き上げて非正規労働者の賃金体系を統一的な体系に改善しろ」と要求した。 民主労総のクォン・ドゥソプ法律院長は 「最低賃金法違反は懲役3年以下、2000万ウォン以下の罰金刑だ。 月126万ウォン程度の賃金さえ守らないのなら厳罰にするというのが法の趣旨」とし 「模範使用者にならなければならない政府、地方自治体が守っていないことを厳しく処罰して、先例を残すことが重要だ」と話した。

アメリカ各地で最低賃金を時給1680円に引き上げ。なんと日本の倍!(BuzzFeed Japan 4月2日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160402-00010000-bfj-int
 カリフォルニア州議会は3月31日(現地時間)、2022年までに州の最低賃金を時給15ドル(1680円)に引き上げることを承認した。ニューヨーク州知事も同日、2018年末までにニューヨーク市で15ドルへ引き上げることを議会側と合意し、表明した。日本の最低賃金の倍となる大幅賃上げは、なぜ実現したのか。
 時給15ドルまで最低賃金を上げることを決めたのはカリフォルニア州が全米で初。ニューヨーク州が続いた。ロイター通信によると、今年から14州が段階的に時給10〜15ドル(1120〜1680円)まで引き上げていく。
◆立ち上がる労働者
 こうした全米での最低賃金引き上げの原動力の一つとなっているのが「Fight for $15(15ドルを求める闘い)」運動だ。
 2012年、ニューヨーク市でファーストフード店の従業員約200人が時給を15ドル以上に上げるようストライキ。動きは全米に広がり、各地でデモやストライキを決行している。
 2015年4月には、世界200都市以上でデモを繰り広げた。ファーストフード店従業員だけでなく、スーパーや空港で働く人から大学の准教授までも加わった。
 ただ、連邦最低賃金は時給7.25ドル(812円)に6年以上据え置かれたままだ。大統領選に民主党から立候補を目指すバーニー・サンダース上院委員は15ドル、ヒラリー・クリントン元国務長官は12ドル(1344円)への引き上げを公約としている。
◆毎年1ドル上昇のカリフォルニア
 現在、カリフォルニア州の最低賃金は時給10ドル(1120円)。毎年0.5〜1ドルずつ上昇し、2022年に15ドルに達する。従業員25人以下の中小企業は猶予がある。また、景気が後退した場合、引き上げを延期できる。
 低賃金を引き上げる効果については、経済の専門家でも評価が分かれる。
「経営者が人員削減をするとき、一番先に首を切るのは低収入の人。最低賃金を上げても貧困は減らないだろう」という研究者(ロイター通信)もいれば、「賃金が上がると労働者がより買い物をするので経済活動が活発になる。だが、雇用が減ってしまうので、効果は相殺されて、全体ではほぼゼロになる」という予測や、「やってみないと分からない」という意見(ニューヨーク・タイムズ)もある。
 一方で、日本は?
 日本の最低賃金は都道府県ごとに決まっている。現在、最も高い最低賃金は東京の907円。一方、最低は鳥取、高知、宮崎、沖縄の4県で、時給693円にとどまっている。単純比較で、カリフォルニア州が予定する最低賃金15ドルの半分以下だ。
 全国を加重平均した額は2007年度以降、毎年7〜18円上昇している。だが、カリフォルニア州の予定する上昇分の10分の1でしかない。
  経済協力開発機構(OECD)に加盟する34カ国のうち、比較可能な25カ国で2015年、実質最低賃金が最も高かったのはルクセンブルグ(11.23ドル)で、フランス(10.9ドル)とオーストラリア(10.86ドル)が続いた。日本は11番目(6.95ドル)だった。ここ15年、日本の上げ幅は平均1.1%で、つねにほぼ中位を保っている。(2014年のCPIを基準にして、消費者物価PPPを使って米ドルに換算)

>英、25歳以上の最低賃金引き上げ 100万人超対象も反応は冷淡( AFP=時事 4月2日)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160402-00000019-jij_afp-bus_all
 英国で1日、25歳以上の全ての労働者を対象に最低賃金が時給7.2ポンド(約1140円)に引き上げられた。デービッド・キャメロン(David Cameron)首相率いる保守党(Conservative Party)政権は英経済の変革に向けた措置と強調しているが、雇用主ばかりか労働組合からも良い反応は得られていないのが実情だ。
 今回の賃上げの引き上げ率は7.5%と、英国の物価上昇率を大幅に上回る。推計の仕方にもよるが、およそ130万〜180万人の労働者が恩恵に浴した。
 賃上げはキャメロン政権が昨年7月に表明していたもので、1999年に当時の労働党政権による最低賃金導入に反対していた保守党にとっては180度の政策転換となった。ジョージ・オズボーン(George Osborne)財務相は今回の賃上げについて「英国を高賃金・低税率・低福祉の国に変えていく上で中心的な役割を果たす」と表明している。
 英国は失業率が5%前後と比較的低い一方で、賃金格差が大きい状態が続いている。ロンドン大学経済政治学院(London School of Economics、LSE)のアラン・マニング(Alan Manning)教授はAFPの取材に対し、今回の引き上げも「象徴的なもの」に過ぎず、「たしかに意義はあるが、その意義を誇張すべきだとは思わない」と述べている。
 時給7.2ポンドという額は、英ロビー団体「生活賃金財団(Living Wage Foundation)」が勧告している最低賃金に比べるとかなり低い。財団は18歳以上の労働者には少なくとも8.25ポンド(約1310円)の時給が支払われるべきで、家賃が高い傾向にあるロンドン(London)では9.4ポンド(約1490円)まで上げるべきだと主張している。
 キャサリン・チャップマン(Katherine Chapman)代表によると、英国では最低賃金が同財団の勧告する水準に届いていない労働者が約600万人に上り、特に女性や若者、パートタイム労働者が打撃を受けている。
 労働者側は、政府による社会福祉削減で賃金が最も低い層の人たちが痛めつけられていると訴えている。英最大の労働団体「労働組合会議(TUC)」の広報担当者は「賃金が最も低い層では、税額控除や住宅手当など在職給付に頼って最低限の世帯収入をどうにか確保している人が多いのが現状だ」と説明している。


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