(18日、バレーボール女子リオ五輪最終予選)
最終セット。日本は6―12と6点もの大差を追っていた。主将の木村は「絶対に負けたくない気持ちと、厳しくなるのかなという気持ち」。ここから粘った。
タイのレッドカードによる2得点を含む8連続得点でマッチポイントを握り、最後は迫田が決めた。涙を流す選手。声がからからになった選手。薄氷を踏むような逆転劇に、選手は感情を抑えきれなかった。
前日の韓国戦に続き、第1セットを失った。レシーブミスなど選手の動きが硬い。真鍋監督は第2セットから先発を大幅に代えた。「困った時は4人を使おうと最初から決めていた」。右手小指の負傷で控えだった木村、迫田、山口を一気に投入。荒木を加えたロンドン五輪銅メダリストの4人全員がそろった。彼女たちが蓄えてきた経験値で、激戦をかろうじて制した。
前夜。前回五輪の主将だった荒木は「重圧がかかったり、こわかったり色々あるけど、このメンバーでやるしかない」と訴えた。守備を固めて得点につなける理想の姿からはほど遠いが、「今日の勝ちを自信にしたい」と木村。難敵が待つ、残り3試合にリオ行きの望みがつながった。(能田英二)