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 外務省は18日、2019年度から導入する新パスポートのデザインを発表した。菊の紋章をしるした表紙は変更しないものの、査証ページは江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」をあしらったものにする。ページごとに異なるデザインにし、偽造対策につなげる狙いもある。

 外務省旅券課は、外国人の入国が増える20年の東京五輪に向けてデザイン変更を検討してきた。10年用パスポートは北斎の24作品、5年用は16作品を採用した。外務省によると、絵画が盛り込まれたのは、1866年にパスポートが発行されて以来初めてという。

 デザイン案には当初、鶴など動物や四季の風景、アニメなども挙がったが、有識者らを含めて検討した結果、世界的に知られた「富嶽三十六景」に決まった。また、表紙の変更も検討したが「シンプルさに根強い人気がある」(同課)として引き継ぐことになった。(安倍龍太郎)