東京地裁の判決が注目を浴びている。定年後の再雇用で、職務が同じなのに賃金を下げるのは違法だということになった。
もちろん、賢いひとならわかっているように、定年前の賃金がもらいすぎなのであって、定年後に賃金を下げるのには合理性がある。ただ、そこよりも、杓子定規に、同一賃金同一労働の原則を解釈したことには驚きがある。
同一労働同一賃金は、非正規の若年層を中心に長らく続けられてきた運動だが、認められなかった。
それが、今回、老人が言い出したら、あっさり認められたのだ。これは凄い。
老人の発言力の凄さには恐れ入るが、ポイントは、そうした老人が今後は、非正規雇用に陥っていくということだ。
現在の年金制度と将来の給付を考えれば、年金だけで今後暮らしていけるとは思えない。なので、老人もそれなりに働く必要がある。そして、それは非正規雇用になるのは間違いない。
「つまり、老人の雇用は、非正規雇用がメインになる」
これが重要な転換点になる可能性が高い。このストーリーは、ベーコン研究所の宮崎さんが言っていたものを私が引用しているにすぎないが、簡単にいうとこういうことだ。
「つまり、大半が非正規雇用となって老人が、正規雇用の正社員に襲いかかる。」
これが宮崎氏のストーリーである。今回の判決はそのストーリーの序章になる可能性が強い。
非正規と、正規のパワーバランスが崩れるティッピング・ポイントが、老人が働き始めた、ということに起因するかもしれないということだ。
これを期に、若者もふくめた非正規労働に対して、同一賃金をみとめる訴訟が連発し、勝訴するかもしれない。もちろん、非正規側は、今回の判決と同じように、(賃金が割高な)正社員の賃金に合わせろと主張するだろう。
正社員は、非正規の低賃金労働を搾取して割高な賃金をもらっているのだから、全員が高い給与に統一しようとしたら、成り立たつわけがない。
さすれば、日本の長らく続いた雇用慣行は一気に崩壊するだろう。今回の判決は爆弾だろう。
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