籾井会長、経営委出席取りやめ 「C査定」直後に
籾井会長以外は全員「報酬増額のプラス査定」
NHKの籾井勝人(もみい・かつと)会長が、10日の経営委員会の全体会への出席を「急用」を理由に開始直前に取りやめたことが分かった。複数の関係者によると、役員の業績評価を経営委側から提示された直後のことで、籾井会長以外の査定対象者は全員、報酬を増額するプラス査定だったが、会長だけは標準額に据え置く内容だったという。
役員報酬は最高意思決定機関の経営委が決める。NHK全体の業績に個人の業績を加味して、各自の業績をS〜Eの6段階で評価し、それに基づいて標準報酬額から最大10%増減させる。各自の評価は公表されないが、NHK関係者によると、副会長ら査定対象者は全員「A」だったが、標準報酬額が年3092万円の籾井会長は増減なしの「C」だった。
10日の経営委は、役員が出席する全体会を前に最初、委員のみで開かれ、役員の業績評価が話し合われた。複数の委員によると、2015年度の受信料収入が過去最高だったことを評価する意見が相次いだ。一方、籾井会長の言動でNHK予算の国会承認が3年連続で全会一致を得られなかったことなど、会長個人の業績を厳しく評価すべきだとの意見も一部にあり、報酬を据え置いたという。
籾井会長は12日の定例記者会見で経営委の欠席理由について「全くのプライベートで、外せない急用があった。業績評価とは関係ない」と否定した。【丸山進、須藤唯哉】