オバマ大統領、ヘリで旧市民球場跡地に降りる計画浮上…27日広島訪問
米国のバラク・オバマ大統領(54)が今月27日に現職米大統領として初めて原爆被災地の広島市を訪問する際、プロ野球・広島カープの本拠地として長年親しまれた旧広島市民球場跡地にヘリコプターで降り立つ計画が浮上していることが18日、分かった。現在、広大な更地となっている同所は、献花を行うとみられる原爆死没者慰霊碑のある平和記念公園からわずか数百メートルと隣接。警備上の観点から、米大統領が歴史的一歩を踏む場所に選ばれる可能性がある。
戦後71年、ついに実現する現職米大統領の広島訪問。歴史的第一歩は「コイの聖地」から刻まれることになりそうだ。
当日の警備に携わる関係者は「具体的なところは今後、警察と調整していくことになります」としながら、旧広島市民球場跡地を活用するプランについて否定しなかった。実際、球場跡地で28日から2日間の日程で開催予定だったイベント「ロハスフェスタ広島2016」は、3万人以上の来場を見込んで準備が進められていたが、オバマ氏の来訪が決まる前後に急きょ中止となっている。
オバマ氏は26、27両日に三重県志摩市で行われるG7伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)の終了後、広島市を訪れる予定。詳細な日程は明らかにされていないが、平和記念公園の慰霊碑に献花する可能性が高く、原爆資料館や原爆ドームの視察も検討されているとみられる。
大統領専用のヘリコプターを利用し広島入りするとみられるが、市内にあるヘリポートは一連の訪問先施設から南に約5キロ離れている。当日は市中心部一帯に大規模な交通規制が敷かれるだけでなく周辺道路でも渋滞が予想されるため、警備上の理由のほか、スケジュールのスムーズな進行という側面からも、関連施設から100メートルも離れていない旧広島市民球場跡地をヘリの着陸地とする案が有力視されている。
旧広島市民球場は1957年に建設。広島カープの本拠地として数々の名勝負の舞台となり、ファンにとって聖地となってきたが、2009年に新本拠地マツダスタジアムが建設され翌年8月に閉鎖された。
2012年2月、右翼席の一部を残して解体工事が終了してからはコンクリート敷きの広大な更地に。イベント開催のほか、ふだんは広場として開放され、市民の憩いの場所になっている。敷地が広く、全体を見渡せる点から警備上、理想的な場所と言える。
今後の活用法をめぐり、サッカーJ1・サンフレッチェ広島のホームスタジアムの建設案なども進められているが、まだ正式には決まっていない。