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 広島・長崎への原爆投下で犠牲になった死没者29万人の名簿の「風通し」が18日、広島市中区の平和記念公園であった。オバマ米大統領の訪問が迫っており、名簿を納める慰霊碑への献花が待たれる。

 原爆投下の午前8時15分、市職員らは慰霊碑の前で黙禱(もくとう)。雲ひとつない青空の下、110冊の名簿を石室から取り出して白い布の上に並べ、1枚ずつめくって傷みがないか確認しながら5月の風に当てた。

 名簿は、昨年8月5日までに亡くなったことが確認された被爆者29万7693人の氏名や死没年月日が書かれている。高齢化が進む中、被爆70年の昨年は新たに5359人が加わった。

 「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻む慰霊碑。土屋邦夫・市調査課長は「オバマ大統領もここに立っていただき、核廃絶への思いを深めてほしい」と語った。(高島曜介)