「弱火が料理を美味しくする!強火にしていいのはお湯を沸かす時だけ」という料理の本を読んだので試してみました。ロジカルクッキングっていうのね。
炎を鍋底に届かせてはいけない
我が家のガステーブルはリンナイと雑誌クロワッサンが30年以上前に共同開発したもので、家庭用ながら中華料理店なみの強火を実現できる。*1これを子供の頃に読んで「大人になったらこれを買うんだ」と憧れて買った。
こんな風に「中華といえば中華鍋を強火で炙る」というイメージがあるけれど、プロ用のガスコンロは強火でも鍋底に火が届いていないのだと野菜いためは弱火でつくりなさい の著者、水島弘史さんはいう。それどころか家庭用ガステーブルは火が強すぎるのだそうだ。ほんとに?!
料理を美味しくするのはガスの炎と鍋の間で熱くなった空気。五徳は鍋を支えるためだけでなく、炎を鍋底から遠ざける役割も果たしている。しかし家庭用のガスコンロは五徳の高さが低く、弱火にしないと炎が鍋底に届く。炎を直接鍋底に当てると火が強すぎて肉は固くなり、野菜は水っぽい。
強火、弱火とは炎の大きさではなく、炎と鍋底の距離ではかるものだと水島さんはいう。弱い炎であっても鍋底に届いているならそれは強火。強火は料理には向かない。
炎の熱で温められた空気が鍋底で対流を起こすようにすると食材が美味しくなる。具体的には肉はしっとりやわらかくジューシーに、野菜は素材が持つしゃきしゃきとした歯ごたえを残しながら火が通る。
弱火調理のやり方
一般的な野菜炒めのやり方は「強火で温めたフライパンに油を敷き、油に香味野菜の味を移してからメインの食材を火が通りにくいものから入れていく」というもの。しかし水島さんのやり方は「冷たいフライパンにすべての野菜を一気に入れ、油を上から回しかけ、野菜全体に油がいきわたるようにかき混ぜながら鍋底に届かない強さの火にかける」。
火加減もさることながら本の中では「食材の重さを正確にはかって0.8%の食塩を入れる」ということが強調されている。残念ながら我が家にはそのような高性能のデジタルスケールと正確さを重んじるコックがいないのでそこは省略ね。
先日エントリーに出したトマトカレーの制作過程はこんな感じ。
凍ったまま荒みじんにしたベーコン、みじん切りの玉葱、生姜、種を抜いた鷹の爪、砕いたガーリックチップス*2小松菜*3にオリーブオイルを和えて弱火にかける。
弱火調理のいいところはじーっと見ていないとあっというまにたいへんなことに!ということがないところ。冷たいフライパンを火にかけたら温まるまでまな板や包丁を片付ける余裕がある。熱くなってからもときどき様子を見るだけでいい。
先の画像とほとんど変わらないけれど、いい匂いがしてきたところ。画像ではわかりづらいけれど小松菜は食感を残したまましんなりして、玉葱は透き通り、ベーコンの旨味も染みだして十分火が通っている。
野菜スープとカレー粉で味付けしてカットトマトを追加。
病院内のコンビニにあった紙パックのカットトマト。使いかけのまま冷蔵庫に収納できるし、ゴミ処理も簡単でとても便利。でも売れなかったらしくて安売りしていたのをまとめて買った。
Amazonで買えないかなと思ったら、デルモンテばかりでカゴメは切れてたよ。
美味しいかな?トマト缶便利なんだけど、缶が貯まるのが困るのよね。
出来上がり。
確かにこのやり方だとお肉も野菜も焦げないし、とーっても美味しい。現在我が家は焦げ厳禁なのでこれは助かる。とくに下味に工夫しなくても鶏胸もまずまずしっとり。鶏レバーをこのやり方で焼くと簡単に美味しく料理できる。
鷄のレバーに熱湯をまわしかけて臭みを抜いて一口大に切り、オリーブオイルを敷いたフライパンに並べて塩をふり、底に火がつかない弱火にかけ、ときおり静かに裏返し、火を止めてカレー粉とウスターソースであえると。ああ、美味しいんだけど、ニンニクがあったらよかったなと。
— くたびれはてこ (@kutabirehateko) 2016年5月6日
食塩0.8%を守るともっと美味しいみたい。
ロジカルクッキングを試したら、パサパサ鶏むね肉が本当にやわらかく焼きあがった件 | パレオな男
わたしが読んだ本は理論の説明が中心だったんだけど、レシピ集も出ている。光熱費の点でも栄養価 の点でもおすすめ。何よりとっても美味しいわん。おためしになってね。