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 インドネシアを占領した日本軍の関係者と現地のオランダ人女性との間に生まれたオランダの日系2世、エドワード・レーマンさん(70)が捜し続けてきた父親にたどりついた。「これで僕の物語を終わりにできる」。異母弟とされる日本人男性との対面を果たし、静かに喜びをかみしめている。

 妻(71)と来日したレーマンさんは、指定された東京都内の霊園に赴いた。4月中旬のことだ。約束の時間の15分前に行くと、すでに男性が待っていた。父親は同じだが、母親が日本人の弟だった。

 男性は笑顔で歩み寄り、初対面のレーマンさんの手を握った。案内された父の墓前に、レーマンさんは白と黄の菊を供え、線香をあげた。「お父さん。命をくれてありがとう。僕は妻や子どもに恵まれ、いい人生を送れました」

 父は40年前に死亡しており、生きて会うことはかなわなかったが、墓石を見て父の存在を実感した。