今年、開港150周年にわく横浜。
その顔といえば毎年2100万人が訪れる「中華街」!
ということで、ガッテンが観光で訪れるだけでは、絶対に見ることのできない「中華街の舞台裏」を徹底取材!
数千年という歴史から生まれた、「中国料理の知恵」を
みなさんのために「盗んで」きちゃいました!
知恵(1) 意外な料理が超グレードアップ!うま味たっぷりの乾燥食材の戻し方
知恵(2) 実はヘルシー!?中国料理の“正しい”油の使い方
知恵(3) ちゅう房のまかない料理で発見!ある調理器具のビックリ利用術
などなど、今日から使えるお役立ち情報が満載です!
“見たことのない”横浜中華街を!
「“たび”してガッテン!」
これが今回の番組のサブテーマです。チャーハンやマーボー豆腐など、個々の中国料理を取り上げることはこれまでもありましたが、中華街という“場所”をテーマにしたのは今回が初!
でも横浜中華街といえは、旅番組やグルメ番組の超王道。そこで、よくあるお店紹介ではなく、今まで見たことのない“中華街”をご覧いただこうと、とにかく町を歩き周りました。通ったのは取材とロケとで通算43日!
中国料理店のちゅう房に飛び込み取材させてもらったり、料理人たちが集う深夜の居酒屋さんに通って、裏技をこっそり教わったり・・・。
横浜中華街を訪れたことがある人は多いと思いますが、新たな魅力を番組を見て感じていただいたら幸いです。
中国流!乾燥食材の超利用術
あの乾物が超美味に!
中華街を歩くと、乾燥食材を売る店をよく目にします。アワビやナマコ、ホタテの貝柱など、日本ではふつう生で食べるものをわざわざ干し、水やお湯で戻してから料理に使うのです。保存が利くという理由もありますが、干すことで生まれる独特の「うまみ」と、戻すことで得られる「食感」を楽しむ、中国伝統の知恵です!
乾燥食材には、アワビやフカヒレなど高級なものもありますが、今回番組でおすすめするのがなんとスルメイカ!
中国ではこれも戻して食べるのが一般的なんですって!
戻すことで、食感は生のイカのようにプリプリ!味は干物のようにうまみたっぷり!「別次元のイカ」をたんのうできちゃいます!
(左の料理コーナーでレシピを公開中)
料理の名脇役としておすすめなのが、干しエビと干し貝柱。干しエビはお湯で20~30分(水だと1時間)、干し貝柱は、お湯で2~3時間戻すと、甘味を含んだ独特のおいしいダシが取れます。
ダシを取ったあとの干し貝柱は、20~30分蒸すと、とろけるように柔らかくなります。さらに、うまみもアップ。これは50℃以上で加熱すると、コハク酸という成分がよく出るためと考えられています。
(左の料理コーナーで、干しエビ&貝柱を使った料理のレシピを公開中)
家でもプロ並み!“湯通し”の超テク
「油通し」で料理がアッサリ!?
中国料理では、肉や野菜などの素材をいためる前に、油にさっと通す「油通し」がよく行われます。油で短時間加熱することで、素材の表面だけを硬くし、中のうまみや水分を閉じこめる効果があります。
油っこくなりそうですが、実は逆!油通しをすると、いためただけの場合より、全体の調理時間は短くなります。その分、組織が傷つきにくく、素材に油が入り込むのを防ぐんです。
面倒な「油通し」家庭での裏ワザ
でも大量の油を使う「油通し」を家庭でするのは結構めんどう!そこで「油通し」と同じ効果を出す裏ワザがあると聞き、老舗四川料理店の料理長の自宅にお邪魔しました。
その裏ワザとは「湯通し」!油の代わりに、お湯に通すことで、エビはプリプリ、肉はジューシー、野菜はシャッキリさせることができるんです。
・エビの湯通し
80℃くらいのお湯。沸騰したお湯(100℃)ではエビに火が通りすぎ、硬くなってしまいます。身が完全に丸まる直前でザルにあげます。
(左の料理コーナーでエビチリのレシピを公開中)
・肉の湯通し
やはり80℃くらいのお湯で。沸騰したお湯では肉が硬くなります。肉の色が変わったらザルにあげます。
・野菜の湯通し
沸騰したお湯に油を少し加えます。お湯の表面に幕を作り、沸点をあげるためです。野菜は高温のほうがシャキッとした食感になるんです。キャベツやピーマンなどはほんの数秒湯通しすればOKです。
超便利!中華鍋・プロが教える利用術
中華街の料理人たちは、ふだんどんなまかない料理を食べているのか?ちゅう房を訪ねると、中華鍋を使って焼き魚からパスタ、茶わん蒸し、目玉焼き、お好み焼き、くん製など、幅広い料理を作っていました。一度にたくさんの料理を手早く作れるからです。
中華鍋は、中国料理専用と思いがちですが、その特長を生かして利用すれば、超便利な“多国籍”鍋になるんです。
~中華鍋の特長~
●焼く面積が広い
底が湾曲しているので、鍋肌の面積が広く、一度に大量の食材を焼けます。
(おすすめ)塩ざけ、ステーキ
●熱効率がいい
鉄製であること、底が丸く炎がむだなくあたることが理由です。料理がスピードアップできます!
(おすすめ)茶わん蒸し、目玉焼き、お好み焼き
●吹きこぼれにくい
普通の鍋でめんをゆでると、水面をデンプンなどの膜がフタのように覆うため、吹きこぼれます。でも、中華鍋は口が広がっているため、フタができにくく、吹きこぼれないのです。
(おすすめ)パスタ、ラーメン、そうめん
もどしスルメの塩いため
[材料]
- スルメイカ(乾燥)…1枚
- 三つ葉(5センチの長さに切る)…1束
- セロリ(5センチ幅の細切り)…30グラム
- ピーマン(5ミリ幅の細切り)…20グラム
- 調味液
- 塩…3グラム
- 酒…10グラム
- 酢…4グラム
- 醤油…5グラム
- 鶏のスープ…50グラム
- ごま油…3グラム
- ネギの薄切り(1センチ角)…3グラム
- ショウガの薄切り(1センチ角)…3グラム
- にんにくみじん切り…1グラム
- かん水(スルメイカをつける水の4%の量)
[作り方]
●するめイカの戻し方と下ごしらえ
- スルメイカを4%かん水の中に5~6時間つける。
- その後流水で4~5時間洗う。
- 薄皮を手でむき、軟骨をとる。エンペラ(胴についている三角形の部分)とゲソも除く。
- 身を縦に半分に切り、裏側を斜めに飾り切りする。
- 横方向に3等分する。
※かん水は、中国食材店などで扱っています。もどしたあと、必ず流水につけてください。
※かん水の代わりに、ふつうの水、または重そうを溶かした水に24時間つけて戻す方法もあります。
重そうの場合は、1リットルの水に対し、重そう大さじ1が目安です。
(水や重そうを使う場合は、流水による水洗いは必要ありません)
●作り方
- たっぷりのお湯で、イカがクルッと丸くなるまでゆでる(10秒ほど)。
- 中華鍋を1分30秒ほど熱し、油を大さじ1ほどなじませる。
- 三つ葉の葉の部分以外を入れて10秒ほど炒めたら、合わせ調味料を入れ、合わせ調味料が沸いてきたら三つ葉の葉の部分を入れてさらにさっと炒めて出来上がり。
(目安としては炒める時間は45秒)
干しエビスープ入りカップラーメン
[材料]
- 市販のカップラーメン(300ミリリットルのお湯を加える大きさのタイプ。しょうゆ味のものがオススメ。)
- 干しエビ…4尾
[作り方]
- さっと水洗いした干しエビを300ミリリットルのお湯に入れ、20分つけてスープを作る。
- スープを加熱し、ラーメンのカップに注ぎ、指定されている時間(3分など)待って完成!
タンタンめん
[材料]
- 市販のインスタントラーメン(生めんタイプ、しょうゆ味)
- 干しエビ…7グラム
- ラー油…適量
- 芝麻醤(チーマージャン)(白ごまのペーストでも可)…50グラム
- 酢…15グラム
- ザーサイ(お好みで)…適量
- すりおろしにんにく(お好みで)…適量
- お湯(インスタントラーメンに指定されている湯量の2割増の分量)
- 牛(豚)ひき肉…適量
- もやし…適量
- 青ネギ…適量
[作り方]
- さっと水洗いした干しエビを細かく砕き、お湯につけ、20分つけてスープを作る
- 丼にラーメンのたれ、芝麻醤、ザーサイ、にんにく、酢、ラー油を入れる
- 1のスープをひと煮立ちさせ、2に入れ、よく混ぜる
- ゆでためんを3に入れる
- ひき肉、もやし、青ネギをトッピングして完成
干し貝柱と春野菜の煮込み
[材料]
- 干し貝柱…4粒
- カブ…2個
- フルーツトマト…2個
- 菜の花…1束
- 卵白…卵一個分
- 黄パプリカ、赤パプリカ…各少々
- 鶏がらスープ…適量
- 塩…少々
- こしょう…少々
- 水溶きかたくり粉(水 おおさじ1 かたくり粉 おおさじ1)
[作り方]
●下ごしらえ
- 干し貝柱を水で洗う
- ボールなどの容器に、適量の鶏がらスープと干し貝柱を入れ、約1時間蒸す
(電子レンジの場合は約15分間)
※容器に残っただし汁はあとで使うので捨てないこと! - カブは皮をむき、しんの部分を円形にくりぬく
- トマトは約2分間ゆで、皮をむく
- 菜の花は根の部分を切っておく
- パプリカはみじん切りにしてさっとゆでる
●作り方
- しんをぬいたカブに、蒸した干し貝柱2粒をそれぞれ詰める。残りの2粒はほぐしておく。
- 貝柱を詰めたカブをボールに入れ、鶏がらスープを少々加え、20分ほど蒸す
- トマトを5分間蒸す
- 菜の花を適量の鶏がらスープと少々の塩で煮る。
- 4を皿の周りに並べ、蒸しあがったカブとトマトを中心に置く
- 鍋に約250グラムの鶏がらスープ、1のほぐした貝柱、だし汁を入れて加熱する。
塩とコショウで味つけをし、水溶きかたくり粉を加え、とろみをつける。 - 6に卵白を加え、5の皿に盛る。
- 仕上げにパプリカをかけて完成!
エビチリソース
[材料]
- むきエビ…250グラム
- 市販の合わせ調味料…1袋
- かたくり粉…大さじ1
- サラダ油…適量
[作り方]
- むきエビは水気をよくふき取り、かたくり粉大さじ1をまぶす。
- 鍋にお玉(中華鍋用)3の沸騰したお湯+お玉(同)1/2の水を入れ、約80℃のお湯にする。
- エビをお湯に入れ、ゆでる(身が完全に丸まる直前まで)。
- エビをいったんザルに上げ、お湯は捨てる。火を止め、合わせ調味料を鍋に入れて加熱する。
- エビを戻し入れ、調味料とサッと合わせて完成。
※市販の調味料にはとろみがついていますが、調味料から家庭で作る場合は、エビを戻し入れる(作り方の5)前に、水溶きかたくり粉を入れ、先にとろみをつけておくとエビが硬くならず、プリプリした食感を楽しめます!