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【政治】

あらゆる手法で辺野古阻止 訪米の翁長知事に単独会見

16日、米ワシントンの沖縄県事務所で、基地問題などについて語る翁長知事=石川智規撮影

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 【ワシントン=後藤孝好】訪米中の沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は十六日(日本時間十七日)、県ワシントン事務所で本紙の単独インタビューに答えた。米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)への新基地建設に関し、和解を受けた国と県の新たな訴訟で敗れたとしても、あらゆる手法で建設を阻止する意向を示した。

 翁長氏は九日から十八日まで米国に滞在。上下両院議員らと相次いで面会し、新基地建設阻止を求める沖縄の世論について理解を求めている。十八日には、一九九六年に当時の橋本龍太郎首相と、普天間飛行場の返還で合意したモンデール元駐日米大使と会って、返還実現への解決策などを協議する。

 翁長氏は「もし敗訴した場合、確定するのは仲井真弘多前知事の埋め立て承認が適正で、僕らが取り消したのが違法というだけだ。(国の)やりたい放題ということにはならない」と指摘。工事を止めるため、新基地の設計変更や岩礁破砕に関する知事の権限を行使するほか、地元の名護市の稲嶺進市長もさまざまな権限を行使できるとした。

 新基地建設の現状に関しても「安倍政権は昨年の夏までに埋め立てを始めると言っていたが、工事はほとんど進んでいないし、これからも最高裁の判決が出るまで工事は止まる」と指摘。「米上下両院の議員に経緯を説明して、日本政府の選択の誤りだと話したら『なるほど』と理解を示していた」と述べた。

 沖縄の在日米軍基地の負担軽減に向けた政府の取り組みに対しては「普天間飛行場の五年以内の運用停止は、仲井真氏が埋め立て承認をした時の大きな条件だった。安倍政権はやることはやると言葉は勇ましいが、逃げ腰のようにみえる。今のところ、約束違反ではないか」と批判した。

 新基地に反対する沖縄の民意と、建設を阻止するという知事の公約については「大きな圧力の前で県民もしっかりがんばらないといけない。その先頭に立つ私は、命懸けで政治をやっていく」と述べた。

<普天間飛行場移設問題> 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題。日本政府は1996年の普天間返還の日米合意を受け、99年に移設を閣議決定。仲井真弘多前知事は2013年12月、辺野古沖の埋め立てを承認したが、14年11月の知事選で新基地建設阻止を掲げて勝利した翁長雄志知事が15年10月に承認を取り消した。政府、沖縄県はともに提訴したが、福岡高裁那覇支部が示した和解案を16年3月4日、双方が受け入れた。和解に基づき、政府と県が協議を続けている。

 

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