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ニンジャスレイヤー公式ファンサイト:ネオサイタマ電脳IRC空間

近未来都市ネオサイタマを舞台としたサイバーパンク・ニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」の日本語版公式ファンサイト。翻訳チームが運営しています。

キャラ紹介「アースクエイク&ヒュージシュリケン」:情け容赦ないソウカイ・シックスゲイツの手練

キャラ紹介


今日は「サプライズド・ドージョー」に登場してドラゴン・ドージョーとニンジャスレイヤーを苦しめた、ソウカイ・シックスゲイツの恐るべき手練、アースクエイクとヒュージシュリケンについての紹介記事です!

 

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◆アースクエイク◆

ソウカイ・シックスゲイツ所属ニンジャ。ビッグニンジャ・クランのソウル憑依者であり、身長8フィート超(約250センチ超)の異常巨体を持つ。筋骨隆々で、その怪力とビッグカラテを主な武器とするが、闇雲に暴れるのでは無く、頑強さを活かして司令塔の役割を果たすことが多い。その顔つきは寡黙な哲人めいており、しばしば沈思黙考状態に入る。シックスゲイツの中では古株に属する。

 

 

◆ヒュージシュリケン◆

ソウカイ・シックスゲイツ所属ニンジャ。背中に背負った直径2メートル近い巨大スリケンをブーメランのように投擲し、敵部隊の首をまとめて撥ねる。また巨大スリケンは背負い盾のように使う事もでき、背後から飛来する銃弾やニンジャのスリケンを弾き返せる。ニンジャ同士の個人戦よりも雑魚一掃を得意とし、アースクエイクと行動を共にすることが多い。その性格は極めて残忍であり、無辜の市民を独創的な方法で拷問することに喜びを覚える。身長は約173センチで、ソウカイヤの中では小柄な部類に属する。

 

 

◆オリジン・エピソード◆

「ネオサイタマ炎上1」に収録の「ネオヤクザ・フォー・セール」と「サプライズド・ドージョー」が、彼らの初登場エピソードである。「ネオヤクザ」において、ヒュージシュリケンは最新のクローンヤクザY-12型1個小隊に対し大スリケンを投擲し、これを皆殺しにするという鮮烈なデビューを飾ったのち、ソウカイヤ首領ラオモト・カンからドラゴン・ドージョー放火作戦を任じられるのだ。かくしてアースクエイクとヒュージシュリケンは、ネオサイタマからメガロ・ハイウェイを北上し、ドラゴン・ドージョーが隠された中国地方へと到達する……。

ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上 (1)

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無印コミカライズでは1巻の最後に「ネオヤクザ」が収録され、大迫力のメキシコライオンや、クローンヤクザの一糸乱れぬ射撃シーンなどが楽しめる。

ニンジャスレイヤー(1) ?マシン・オブ・ヴェンジェンス?<ニンジャスレイヤー> (角川コミックス・エース)
 

 

キルズでは3巻に「ネオヤクザ」と「サプライズド」が収録されており、キルズ特有の大胆なデザインアレンジが施された二人の戦いぶりを見る事ができる。

ニンジャスレイヤー殺(3) (シリウスKC)

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◆重要エピソード◆

「サプライズド・ドージョー」での敗北をもって、アーククエイクとヒュージシュリケンは物語の表舞台から姿を消すが、ヒュージシュリケンの物語はまだ終わっていなかった。第3部において彼は全身を戦闘サイバネ化して復活し、「バイセクター」と名を変え、ラオモト・チバとシックスゲイツの栄光のために戦うのだ(ニンジャスレイヤー全編を通しても、このような部をまたいでの敵の復活は極めて珍しい)。 

ニンジャスレイヤー 秘密結社アマクダリ・セクト (不滅のニンジャソウル # 1)

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グラマラス・キラーズの2巻は、一冊まるまるヒュージシュリケンの物語となっており、第1部以前から第3部にまでおよぶその長大なサーガは、まさに圧巻である。シックスゲイツ・メンバーにからむ時系列設定などは、ボンド&モーゼズの監修が入っており、ソウカイマニアとしても見逃せない作品だ。

ニンジャスレイヤー グラマラス・キラーズ2 (B's-LOG COMICS)

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◆NINJA FACTS◆

アースクエイクはソウル憑依前から異常巨体だったのか?

ニンジャスレイヤーを読み始めて間もないニュービー・ニンジャヘッズが抱きがちな疑問といえば、まずこれだろう。これに。確かにネオサイタマは混沌としたマッポーの世であるが、生身で身長250センチの人間とはまずお目にかかれない。アースクエイクも無論、ニンジャソウルに憑依される前は、通常サイズの人間であった。ビッグニンジャ・クランのニンジャソウルが憑依したために、彼の体はグングン成長し、身長250cmの筋骨隆隆たる巨体を得るに至ったのだ。

ほぼ全てのニンジャソウルは、表意者に対して強靭な肉体とニンジャ耐久力をもたらすが、ビッグニンジャ・クランのような一部のニンジャソウルは、憑依直後、または憑依後に徐々に、憑依者の身体的特徴に対して不可逆の大きな変化を与えるのだ(それは彼らが用いたカラテやジツと結びつきが強い)。余談だが、これには個人差があり、肉体変化が伴わなかったがために、宿したニンジャソウルの持つカラテやジツと肉体の間に齟齬が生まれるケースもある。そのような場合、ソウル憑依者は「極端なバイオサイバネによって肉体を改造したい」という欲求にとらわれることも多いという。

 

 

ツーマンセルで戦う敵ニンジャの元祖

ニンジャスレイヤーにはしばしば、互いの戦闘スタイルを補い合うためにツーマンセルでの作戦行動を得意とする手強い敵ニンジャが登場する。第一部のソウカイヤ編といえば、ガントレットとセンチピード、ミニットマンとイクエイションなどが有名どころだろう。だが、それらの原点といえるのは、やはりアースクエイクとヒュージシュリケンの2人なのだ。彼らは、今や知る人ぞ知るプロト版ニンジャスレイヤーの「Surpirised Dojo」にも登場してニンジャスレイヤーを苦しめたし、ボンド&モーゼズの創作過程インタビューを読んでも、ニンジャスレイヤー、ラオモト、ダークニンジャなどと並び、最初期に生み出されたニンジャ(そしてソウカイ・シックスゲイツ)でもある。彼らは今後も、ニンジャスレイヤーの新たなメディアミックスが生まれるたびに、彼らはシックスゲイツの代表格として真っ先にニンジャスレイヤーの前に立ちはだかり、そして打ち倒されるだろう。

 

これは、彼らが極めてシンプルな構成要素と概念から成り立つニンジャだからであり、「とにかくでかい手裏剣を投げるやつ」「とにかく体がでかくて力が強いやつ」というニンジャ・ヴィラン創造の初期衝動めいた概念の体現者でもあるからだ。ひとつの思考実験として、あなたが近くにいる何のニンジャスレイヤー知識もない小学生(国を問わない)に「悪いニンジャを十体くらい考えてみなさい」と問えば、まず間違いなく、上記2つの要素を持つニンジャが現われ出てくるだろう。その根深いミームの源泉がどこにあるのかはわからない。ともかく、上記のような理由から、アースクエイク&ヒュージシュリケンはニンジャスレイヤーとの戦いを何度となく繰り返し、そのたびに爆発四散する。ニンジャとは一体……。深い思考。悟り。そこにはまごう事なきゼンがあり、ゆえに我々はこの二人を愛してやまないのだろう。

 

 

サプライズド・ドージョーの深遠

一見すると、まるでトイのように現実離れした外見的特徴を持つアースクエイクとヒュージシュリケンだが、「サプライズド・ドージョー」の中でのハイウェイ疾走シーケンスからは、ネオサイタマに生きるニンジャの生き様や、覚悟、執念、息づかいなどが読み取れる。ドージョー襲撃に向かう途中、ヒュージシュリケンはニンジャスレイヤーによって奇襲を受けて重傷を負い、片目を失うというアクシデントに見舞われるのだ。

ZBRアドレナリンを自らに投与したヒュージシュリケンは、熱にうなされながら「アース、もっとスピードを……地獄の猟犬が俺たちを追ってくる……」とうわ言を繰り返し、同じシックスゲイツであるヘルカイトへの露骨な不信感すらも口にする。スリケンを主武器とするヒュージシュリケンにとって、目を失うことは死にも等しいことだ。アースクエイクは何も返さず、沈思黙考を続けたまま、たとえこのミッションを成功させ生還したとしても、ヒュージリュシケンはシックスゲイツにおける地位をもはや維持できまいと冷徹に分析する。ドラゴン・ドージョーへと向かうシーケンスの中の短いやり取りで、悪逆非道のニンジャたちの中にも何らかの社会性やパートナーシップ、およびシックスゲイツとしての矜持があることを、我々のニューロンへと暗く鮮烈に焼き付けるのである。今から襲撃に向かうはずなのに、このシーケンスのヒュージシュリケンにはまるで敗走しているかのような絶望感と焦燥感がある。物語の中でニンジャスレイヤーはしばしば、暴力ヒエラルキーの頂点に君臨し我が物顔で人間をいたぶっていた邪悪なニンジャたちを、このような狩られる側の立場へと一気に叩き落とすのである。

しかし、ドラゴン・ドージョーでのイクサが始まると、アースクエイクとヒュージシュリケンは、バクチクによる卑劣な奇襲に続き、格下であるニュービーニンジャやユカノに対して極めてテンションの高い非道攻撃を繰り出し、混じり気のないニンジャの邪悪性と情け容赦ないカラテで我々の胸をたかぶらせてくれる。我々はニンジャの残虐性に腹を立て、ニンジャスレイヤーによってインガオホーが与えられることを心待ちにしていたはずなのに、いつの間にか邪悪なニンジャのカラテに心を踊らせているのだ。この事実に気づいた読者の多くは、しばし「ニンジャとは一体……」と思いを馳せたのち、結局よくわからないため、食べかけだったスシに目を落として、またすぐに目の前の日常へと戻ることだろう(我々にもよくわからない)。そしてまたいつの日か、戻ってくる。「サプライズド〜」はその短いページ数の中で、ニンジャスレイヤーの持つ深遠なテーマが幾重にも織り込まれており、ヒュージとアースはそれを象徴する存在なのだ。

 

◆未来へ◆

いかがだったでしょうか。この記事を通して、愛すべきソウカイ・シックスゲイツの悪党二人、ヒュージシュリケンとアースクエイクの魅力の一部をみなさんに伝えることができれば幸いです。

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ディスエイブラー(左)とバイセクター(右)

重要エピソードでも触れたとおり、「バイセクター」と名を変えたヒュージシュリケンの物語は「サプライズド・ドージョー」から第3部1巻「秘密結社アマクダリ・セクト」に収録のエピソード「サツバツ・ナイト・バイ・ナイト」へと続きますので、ぜひ一読してみてください。また今回のウキヨエ募集に投稿された全てのアースクエイク&ヒュージシュリケンは、こちらからチェックできます。

アースクエイク

ヒュージシュリケン

(Tantou)