何が好きだよ、キモイっつーの
こんにちは、氷太よ。
今日ははらだ先生の
「よるとあさの歌」
を頂いていくわね。
誰が見ても、他のBLとは一線を画す作品という位置付けになるでしょうね。
鬼気迫るような描写が多いこの世界観に付いていければ、名作として扱われる作品である事は間違いない。
どんな作品か見ていきましょうか。
あらすじ
女にモテたくて仲間とバンドを始めた朝一。そんな朝一がボーカルを担当している弱小バンドにサポメンで入ってきたヨル。ライブの後のちょっとした「お遊び」の時に起こった一度のアヤマチ。それをきっかけに、ヨルは朝一への想いを明らかにしていく。
「男同士なんて気持ちワリィ…」と嫌悪感しかなかったはずの朝一なのに、衝撃的なヨルの歌声に思わず欲情し、場所を問わず乱暴にヨルを求める日々へと変わる。朝一を一途に想い続けるヨルを軸に、めまぐるしく加速する欲望、暴走する嫉妬、それぞれのキモチの行方は……?
こんな感じね。
あらすじだけでも結構強烈でしょ・・?
とあるアニソンに「ほとばしる熱いパトスで」って歌詞があるけど、この表現まさにこの作品の世界観そのもの。
プラトニックでキレイな世界じゃなくって、ドロドロしてて言葉では表しようのない人間の欲を過激に押し出しているような物語になっているわね。
登場人物
ヨル(表紙右)
元々メジャーデビュー有望視されていたバンドのボーカル。
とある出来事がきっかけで、ずっと朝一の事が好きだった。
ちょっと人とはズレている感性の持ち主
おや、君はコリン星から来たのかな・・?
朝一(表紙左)
楽器を演奏する才能がなかったためボーカルを担当している。
ヨルに対し、元々あまり良い感情を抱いていない。
楽しい事は一番楽しい時にやる考えの持ち主。
オレとも遊んでほしい(切実
感想
ストーリー・キャラクター
序盤は全然バンド要素が活きていない・・と思ったけどそれも束の間。
このバンドに関するシーンで、まるで洗脳にも近い激情を描写した部分がまず秀逸。
それとこれはアタシがホモだからこそ言える意見なんだけど、朝一がヨルに対して抱く同性愛に関する嫌悪が本当にリアル。
バカにしてたりとか無理やり面白がったりしているけど、コメディに逃げずその根底の部分、本能による否定を細やかに描いている部分も良かったわ。
そして各キャラクターが持っている考えに人間らしい芯があって、理解はできない考えは勿論あるものの、納得のいく展開を迎えていくわ。
この作品が持つ、基本的なコンセプト自体は実は平坦だとは思うの。
同性への恋、拒絶。そしてそれを流れ取り囲む各キャラクターがいる。
どれも大体のBLに共通する設定で、進む道筋は同じはずなのよね。
でも、はらだ先生の描写が凄すぎるのよ。まさに鬼才。
そして通常のBLではないであろう要素もふんだんに盛り込まれているわ。
ここの部分は、賛否両論ありそうね。
大まかにわけて2つあると思うの。
・登場人物がかなりゲスい
・「闇金ウシジマくん」にありそうなシーンがある
って部分かな。
前者に関しては「だがそれがいい」っていう需要はあるとは思うんだけど・・・。
ただアタシには、特に序盤中盤の朝一の煩悩にまみれた刹那的な性格に抵抗が少しだけあったかな。
ほら・・アタシって一途だからさ(←黙れ
後半はすこぶる可愛いんだけどね。食べちゃいたい。
そして後者の方は女性には抵抗ある人多いかもしれないわね。
結構冷酷な事件が起こるしね。
アタシは男だし、ちょっとした荒事もやってきた人間だから何ともなかったけどね。
まあ、見る人によってはクセのあるキャラやシーンがあるって事は念頭に置いておいた方が良いわね。
絵
めちゃキレイ。
おそらくこの画力がなければ扱うことが出来なかったであろう題材よね。
三日月の形になった目の描き方だけはダメ。
もうこれは完璧に個人的な意見であって生理的なものだと思う。
なんかゾゾッとしてしまう。
発展
これでもか・・・これでも足りんのか!?
ってくらい詰め込まれてる。
ここまで熱がこもっていてパンチの効いている描写は他にないかと思うわ。
まとめ
万人受けはしないタイプではあるけども圧巻の世界感を堪能できる作品。
青年誌よく読んでる層の人にはオススメ。
BL初心者には間違っても勧めてはいけない、これがスタンダードじゃないからねせやね