政府は17日に閣議決定した2015年度エネルギー白書で、今後の原油価格を「上昇する余地が大きい」と予測した。供給過剰で原油価格は低迷しているが、新興国の需要拡大で供給が足りなくなる可能性があると判断。資源開発の投資を続けて価格の急反発を避けるべきだと訴えた。
白書では価格が急落した1980年代を引き合いに、「現在のほうが新興国の需要が強く、石油輸出国機構(OPEC)の余剰生産能力は小さい」と分析。いきなり大幅に上昇する可能性は低いものの、「地政学的リスクや金融要因で価格急騰も考えられる」とした。 原油安で世界の資源メジャーは業績が悪化し、油田やガス田などへの開発投資が減っている。国際エネルギー機関(IEA)によると、15年の世界の石油や天然ガスの開発投資は14年より約20%減った。16年も減少が見込まれ、史上初めて2年連続の減少になる。
一方、今後についてはIEAや世界銀行などの国際機関も原油価格が反発すると見込んでいる。白書では開発投資の縮小が価格高騰のリスクを高めるとし、「各国政府が協調して投資を促すことが必要だ」と指摘した。
政府は石油と天然ガスの国内消費のうち日本企業が開発に携わる比率を14年度の24.7%から30年に40%以上に高める方針だ。原油安でロシアやブラジルで海外勢が権益を売却する動きも出ており、日本企業が権益を買う好機との見方もある。 白書では「政府による(資源会社への)リスクマネー供給の役割がいっそう高まっている」として、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた出資や債務保証の拡大を検討する。