昨日、マクドナルドに2回行った。夕方に1回(アイスコーヒー)、夕食後に1回(アイスコーヒー)。マックのコーヒーはまずいイメージがあるが、アイスコーヒーは案外まともだった。1時間雑談をしても100円なのだから、あまり悪く言わずに感謝すべき存在だ。
同行した20代いわく、マックが嫌いではないが、人気が落ちたのは「金も脳みそもないおポンチ」(原文ママ)が離れたからだろうと。彼自身がマックを一番使ったのは、金もなく他を知らなかった高校時代だという。そして金も脳みそもないおポンチは、他人の意見に左右されやすいという。つまりメディアがマックはダメだと言えばそのとおりだと思い、メニューと実物の大きさの違いに大騒ぎし、挙句の果てにわざと崩れたバーガーの写真をピックアップしたツイートをRTする。店舗は「金も脳みそもないおポンチ」が多いから騒然とし、いくらお互いにおポンチでも居心地が悪くなってしまう。彼の持論は、いまマックを悪く言っている勢力の中心は、以前にマックフリークだったおポンチであり、もともと距離を置いていた層は別に悪くは言っていないというもの。彼の持論が正しいとすれば、マックは金も脳みそもないおポンチを対象にマーケティングを立て直すべきなのだろう。答えは簡単で、安く、大きく、ジャンク度を極大にした味つけを極めていけば良い。健康志向の人間が飛びつくはずもない、乾いた野菜の多い見かけ倒しのフレッシュマックなどはいらないし、シチリアレモンを使ったという高額なマックフィズもいらない。「金も脳みそもないおポンチ」のみをターゲットにした守銭奴向けビジネスに特化すればよいのだろう。
週刊ダイヤモンドによると、マックは不採算店の整理により2016年は売上高を2年前の水準に回復し、最終損益では赤字解消の見込みという。マックはスタッフの商品提供の時間を秒単位で計測し蓄積するなどオペレーション面はプロ。恐らく利益率をかなり気にしているのだろう。どれだけ客が減っても、根本的な要因の1つと思われる低品質な肉には一切手をつけないことからも分かる。経営陣に理系が多く、マック同様に秒単位のオペレーションを行うサイゼリヤが好調なのはなぜか。それはマーケットが広がりつつある健康志向に対応している点が大きいかと思う。マックは、体制が似ているサイゼのコピーをすれば復活するのだろう。現状での大きな違いの一つにアルバイトへの給与がある。サイゼと比較すると、マックの時給は安く交通費も支給しない。サイゼもとことんまで切り詰める企業だが、長く続けるアルバイトにも冷たいマックのほうが守銭奴レベルは高い(肉の品質もひどい)。守銭奴による守銭奴のための業態がマックと言えるのだろうし、それを極めていくしかないのだろう。守銭奴をターゲットに、安く、大きく、ジャンク度を極大にした味つけに特化していきながら、サイゼリアの健康志向を取り込むという矛盾した結論になってしまった。要するに蓄積した得意分野で生き残る道はほとんどなく、完全なオワコンということ。ただしアイスコーヒーは、皆が思っているよりうまい。