2016-05-17

はてブオスプレイデマを飛ばすな

はてブにはまともな人が多いと思っていたが、オスプレイに関する限り、とんでもないデマを飛ばす人が圧倒的に多い。関東大震災ときの「朝鮮人が……」というデマにも匹敵する、とんでもないデマだ。

 

本日読売新聞に、熊本地震の際、自衛隊ヘリコプター CH-47 が整備中で飛ばなかった、という記事があった。

  http://www.yomiuri.co.jp/national/20160515-OYT1T50135.html

熊本地震発生の約1週間前、CH47の点検で翼を回転させる部分近くに異常が見つかり、飛行を続けると事故が起こる恐れのあることが判明。自衛隊は全機の運用を中止して一斉点検実施した。熊本地震後、自衛隊はCH47の出動を決めたが、多くが点検中で、被災地での救助・救援活動には、10機程度しか稼働できなかったという。

これが、はてブホッテントリに入った。

  http://b.hatena.ne.jp/entry/www.yomiuri.co.jp/national/20160515-OYT1T50135.html

 

はてなーの多くは、「自衛隊ヘリが使えなかったのか。これでオスプレイ有用性がわかっただろう。やっぱりオスプレイ必要なんだ」と思っているようだ。だが、これは勘違いだ。

 

一部のブコメ(blueboy)でも指摘されているが、上記のネット記事は簡略版にすぎない。元の記事にはもっと情報がある。特に重要な部分を引用しよう。

自衛隊のヘリは、維持整備の予算が不足し、稼働率が低下傾向にある。

まり、金がないから、維持整備がろくにできなくて、そのせいで、まともな稼働率を上げられないのだ。「翼を回転させる部分近くに異常が見つかり」というのも、1986年ごろから導入されたポンコツの機体には十分な点検や修理が必要なのに、その点検や修理が不十分だから、ポンコツ状態が軽微なうちに発見・修理ができなかったわけだ。

 

から、この根源は、自衛隊に金がないことだ。必要な維持整備費さえもないありさまだ。そして、自衛隊がこれほどにもスカンピンになったのは、オスプレイという超高額機を購入するせいだろう。オスプレイを買わなければ、その金で維持整備の費用をまかなえたのに。

まりオスプレイを購入するせいで、既存ヘリコプターの大半が使いもにならなくなってしまったわけだ。

さらに、本当ならば、ポンコツの CH-47 や、もっと古くて退役した CH-46 の代替機を購入することが必要だ。それは、AW101 (日本名 MCH-101 )というかなり新しい機体だ。

  http://bit.ly/1Xf7sVK   ( Wikipedia

この機体ならば、210億円で買えるので、オスプレイのほぼ 10分の1の価格で済む。オスプレイを少数だけ配備するよりも、AW101 をその 10倍の数で配備する方がずっと有益なのだ

 

   *   *   *   *   *   *   *   *   *

 

さらに、大切なことがある。熊本地震で、オスプレイが役立ったという話は、ただのデマだということだ。そのことは、検索すれば、すぐにわかる。理由を知りたければ、下記からわかる。

  google:オスプレイ 必要なかった

 

簡単に言うと、こうだ。

(1) オスプレイが運搬したのは、18日の午後になってからで、遅すぎた。

(2) そのときにはすでに道路が開通して、トラック物資を運搬した。

(3) オスプレイが運んだのは、最後オスプレイのために取っておいた少量の1回分だけ。

(4) オスプレイが垂直離陸するためには、重たい物資は運べないので、重たい飲料水などは積み込めず、軽量の毛布などを運んだだけだった。

(5) 自衛隊基地から出た自衛隊ヘリが荷物軽空母に下ろした。そこで荷物オスプレイに積み替えて、オスプレイ荷物軽空母から被災地に運んだ。

(6) しかし、自衛隊のヘリが直接被災地に運べば、途中で積み替えることもなく、1回で済んだのだ。なのに、オスプレイに運んでもらうために、わざわざ積み替えた。これは余計な手間と時間がかかるだけで、まったくの無駄だった。

 

要するに、オスプレイが運んだ荷物は、ほとんど無意味のものだけだった。単に「オスプレイは役立ちますよ」という宣伝のために、オスプレイを使っただけだった。そして国民の大部分は、そのペテン行為にだまされて、役立たずに終わったオスプレイを「すごく役に立つ」と思い込んだ。こうして、まんまとだまされた。はてなーもだまされて、ブコメオスプレイ礼賛を書き込んだ。

しかし、そのせいで、ヘリコプターはポンコツの CH-47 ばかりとなり、維持整備費もろくに出ないありさまだ。本来ならば AW101 を大量配備できるはずだったのに、それもできず、やたらと高価格オスプレイを少数だけ配備することになった。本年度はたったの4機だけだ。

  http://www.sankei.com/politics/news/151212/plt1512120010-n1.html

 

まり、せっかくのヘリ空母ひゅうがなどを配備しても、それに搭載するためのヘリコプターはろくにない、というありさまだ。11機搭載できるヘリ空母に、4機しか搭載していない。うち1機が MCH-101 だ。

  http://bit.ly/1XuyNUw

 

ヘリのないヘリ空母。ひどい無駄だ。戦艦大和の再来とも言えるほどの無駄オスプレイの購入をやめて、 AW101(MCH-101) を大量配備していれば、こういう馬鹿げたことにはならなかったのに。

 

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