ターゲットは“23歳”女性! 『王様のブランチ』土曜の朝昼に定着した理由とは?
毎週土曜日放送の情報バラエティ番組『王様のブランチ』(TBS系)が4月6日に満20歳を迎えた。テレビ受難の時代、ここまで人気を継続している秘密とは何か?これまで様々な名物コーナーやスターを生み出し、いまなお進化し続ける同番組のプロデューサー・高橋一晃氏に話を聞いた。
1996年4月6日より、初代司会に俳優の寺脇康文とタレントの田中律子を迎えスタートした『王様のブランチ』。「ターゲットは“23歳”の女性、トレンド雑誌のページをめくるような情報番組を作ろうということで始まりました。このコンセプトは今も変わっていませんが、当時は新しい試みだったと思います」と高橋氏は振り返る。
書籍や映画、視聴率などをランキング形式で伝えるスタイルや、芸能人を招いてゆかりの店を尋ね、町ぶらするグルメリポートスタイルは、実は同番組が“走り”と言われており、高橋氏は、「今日のグルメや旅関連の番組に多大な影響を与えていると思います」と自負する。また、線引きのない様々な情報を扱っているだけに、一見ルールなしの何でもありの番組に見えるかもしれないが、その裏には“ルール”があり、そこはブレずに徹底されている。
「23歳の女性、これが全ての基点になっていますが、時代と共にライフスタイルが活発に“動く”年代なので捉えるのに必死」と苦笑いする高橋氏。さらに、「ギャンブルや野球などターゲットに合わない情報は一切やらない。芸能人の離婚やスキャンダルなど、ネガティブな話題にはフタをする。爆笑ではなく微笑みを。ポジティブな涙を誘う感動はOK」。土曜日のアンニュイな時間帯を幸福感で満たしてくれる、あの独特の雰囲気は、番組のアイデンティティがきちんと守られているからこそ生まれるのだ。
俳優を総合司会に据え、大勢の女性ブランチ・リポーター(中越典子、坂下千里子、安めぐみらスターも輩出)が華を添えるスタイルも斬新だった。「寺脇さんが10年、そして2代目となる谷原(章介)さんも10年目。お2人ともコメントがウィットに富んでいて、俳優であれだけ司会をこなせる方はほとんどいない」と絶賛。