[PR]

 新潟県糸魚川市の住宅で生まれたばかりの男児を殺害したとして、殺人と死体遺棄の容疑で逮捕された男性(65)=同市歌=と、殺人容疑で逮捕された義理の娘の女性(28)=愛知県半田市=について、新潟地検は16日、ともに処分保留にし、発表した。この日は2人の勾留期限日だったが、地検は起訴するために必要な証拠を集められなかったとしている。

 地検は同日、女性を釈放した。男性は別の傷害事件で起訴しており、引き続き勾留しているという。

 男性と女性は2014年夏ごろ、当時同居していた糸魚川市歌の自宅で男児を出産した後、首を刃物で切って殺害。男性はその翌日ごろ、遺体を捨てた疑いがあるとして、県警は4月25日に2人を逮捕、27日に送検していた。

 事件は女性の自首をきっかけに発覚した。県警は、凶器とみられる刃物も押収したと説明していたが、男性は一貫して容疑を否認。県警は10日から、女性の供述などをもとに男性の自宅付近の山を捜索したものの、16日までに遺体は見つかっていない。

 地検は処分保留とした理由について、「遺体が見つからないことも含めて証拠が不十分だった」と説明している。