【ニューヨーク=山下晃】著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイがアップルの株式に初めて投資したことが16日、米当局への届け出で明らかになった。主力のスマートフォン(スマホ)「iPhone」の販売が伸び悩むアップルへの投資は市場の注目を集めそうだ。
米証券取引委員会(SEC)への届け出によると、2016年1~3月期に約10億ドル(約1100億円)を投じ発行済み株式数の0.2%にあたる981万株を取得した。
「分からないものには投資しない」としてIBMを除きハイテク分野への目立った投資はなかったバフェット氏だが、アップルの積極的な株主配分などに着目したようだ。
アップルの16年1~3月期の売上高は前年同期に比べ13%減り13年ぶりの減収に沈んだ。時価総額首位の座をアルファベット(旧グーグル)に明け渡す場面もあった。
先月にはアップルに自社株買いを迫ってきた著名投資家のカール・アイカーン氏がアップル株を売却したと明らかにするなど、投資家離れも進んでいた。
バークシャー社の保有が明らかになったことを受けて、16日の米国株式市場ではアップル株に買いが集まった。前週末比3%を超える上げ幅を記録し、米国株式相場を押し上げている。ダウ工業株30種平均の上げ幅は100ドル超で推移している。