パズルのすべてのピースがピタッとはまったような夜を経験したことはありますか?
何度思い出してもまるで夢の中にいたとしか思えないパーティに居合わせたことは?
わたしにとってそれは2015年11月18日のLIQUIDROOM、Have a Nice Day!のリリースパーティの夜でした。何かに導かれるようにあの夜、小雨の夜道を小走りで向かった恵比寿のLIQUIDROOMに吸い込まれ、あの巨大で幸福なモッシュピットの中に巻き込まれていって、いろんなことが一変しました。
このエントリを書いたことでKAI-YOUさんに見つけてもらい、この記事を書きました。
そしてこれをきっかけに、その他にも、カルチャー系記事を書かせてもらう機会が増えました。流れに乗って、このままどこに向かうんだろうと思いながら、ただ好きなものを好きだと書かせてもらえる幸せに浸っていたら、とてもとても楽しみにしていた映画のパンフレットに載る監督インタビューの話をいただきました。
それがこの映画『モッシュピット』、あの11月18日の夜をまとめた宝物のような映画を作った、岩淵弘樹監督へのインタビューです。
憧れのHMJM事務所で、2時間弱、岩淵監督からいろいろな話を伺いました。岩淵監督は膨大に記録された映像のすべてを文字起こしして、それを読み解くように物語を紡いでいました。多くの示唆とロマンティックなエピソード、そしてたくさんの人の思いを垣間見ることができました。
あの夜に向かうため、本当にたくさんの人たちが様々な思いを抱えていたのだということ、それらをとらえた映像をもとに、岩淵監督が手探りでひとつの物語を紡いでいったこと、それはまさに2015年の”東京アンダーグラウンドシーン”という魔法の謎を解いていくような、複雑で力強く、どろどろとして熱く、そしてまっすぐな物語でした。
そのインタビューが、映画のパンフレットの1ページとして掲載されています。たくさんのエピソードがありましたが、これだけは絶対に伝わって欲しいと思うメッセージを中心にまとめました。あの日の夢のなかにいるような気分がまだ続いていて、未だに自分でも信じられないのですが、もうすぐ映画は公開され、劇場でパンフレットが販売されるそうです。
もしかしたらあまり部数を刷らないかもしれないとのことだったので、見かけたらぜひ、手に入れてください。実はわたしもまだ現物を手にできていないのですが、なんとか初日には確認できそう。楽しみです。
わたしは本当に音楽が好きで、そこに関わり、繋いでいこうとしている人たちが大好きです。なぜ彼らが夜な夜なライブハウスに集い、ハードで狂ったモッシュピットで全身をぶつけあいながら爆音にあわせて踊り、叫び、クタクタになって朝を迎えるのか。そこにはいったい何があるのか。彼らは何を考えて、何を追いかけているのか。東京のアンダーグラウンドシーンで、いったい何が始まろうとしているのか。
この映画はそれを記録した、貴重な作品になると思います。
特報として40分のプロローグ動画が、そして特設サイトが公開されています。
もちろんわたしも観に行きます。劇場でお会いしましょう。
今日はそんな感じです。
チャオ!