俺は今はそんなにマンガを読むわけではないおっさん、つかジジイだ。
二十歳くらいまでは少年ジャンプを毎週購入して読んでたと思う。
ジャンプではないが手塚治虫が一番だとは思ってた。だって親父が好き過ぎてブラックジャックやら三つ目が通るやら火の鳥やら家中にごろごろしてたし、親父が認めないマンガを俺が読んでると、親父が本気で怒ってきたりしてたからね。
親父は美術家くずれの看板屋を営んでて、そういう表現的なものへの執着があったのだと思う。
ジャンプの「リングに賭けろ」とか「キャプテン翼」なんかはホントマジ切れしてた。あんまり怒るので俺と喧嘩になった事もある。
ちなみに親父に言わせれば「サーキットの狼」は車だけは上手く書いてあるそうだ。
どうも俺は当時は親父に反発こそしたが、結局その遺伝子は引き継いでしまったらしい。
はっきり言って、近年、これは上手い!と思ったマンガに出遭うことはほとんどない。
あんまり読まないから、と言うこともあるけど、不思議なもので上手いマンガはぱらぱら捲ってるだけでも、そのぱらぱら捲ってる指がそこで止まる。
そういう瞬間が、最近はほんとにない。
もちろん個人的趣味な部分は大きいし、絶対的・客観的上手さというのはないと思う。
よく言われるが「カイジ」の福本伸行のマンガはめっちゃくちゃもう下手すぎて話にならないくらい下手(そもそも絵が下手すぎる。マンガとしてのデフォルメがあるとしても認められないくらい下手だと思う)だが、読み出すと止まらない面白さがあるのは事実である。
ただ、面白いだけでは、変な言い方だがつまらない気がしている。
ほんとに上手いマンガに出遭いたい。
近年で上手いと思ったのは「ろくでなしブルース」「べしゃり暮らし」の森田まさのりのマンガくらいだ。
具体的に何処が上手いかは表現しにくいが、森田氏がとことん考え抜いて表現を編み出しているように見えるからだ。
かなり昔の話だが、「キャプテン」等のマンガで知られるちばあきおという漫画家がいるが、劇画タッチでもなく、線も少ないのに実に上手い。
ちばさんは、既に掲載された後でも原稿を修正する事で知られていた。一回だけそれを見たことあるが、投手の投げた球の位置や大きさが少し変えてあった。
現代の漫画家にこうしたこだわりを持つ漫画家がどれくらいいるのかは知らないが、ともかくこれは上手いと思わせる漫画家にまた出遭いたい。
上手いとか下手とかいう以前に無いものねだりしてる可能性はある。 ものづくりはクオリティを上げれば上げるほど永遠に完成しない。世に出ることもない。 妥協できない奴は何も作れ...
福本はナニワ金融道と一緒の系列である意味うまさの一種だとは思うぞ。 ただいわゆる美術系の腕としての彼を考えた場合、ニコニコでわかるように下手。 この違いはなにかといえばデ...