韓中の抗日運動展示施設、深まる友好の絆

 会議では引き続き、参加機関の共通課題や協力案に関する討議が行われた。朝鮮義勇軍歴史記念館の尚栄生館長は「韓国で映画『暗殺』が上映されて以降、金元鳳(キム・ウォンボン)、尹世冑(ユン・セジュ)の足跡をたどり、太行山を訪ねる韓国人が増えた」とした上で、「朝鮮義勇軍の史跡は山間地に散在しており、保存と研究には困難が伴う上、時間とともに損壊のリスクが高まっている」と指摘した。

 梁世奉(ヤン・セボン)将軍抗日闘争記念館のチョン・ジョンヒョク館長は「既に参加機関の相互理解と絆が深まったので、5-10年という中長期での連携事業を進める必要がある」と指摘。2017年の課題としては、中国広州蜂起90周年や黄埔軍官学校の朝鮮人卒業生による役割、18年の課題としては、抗日義兵長、李鎮竜(イ・ジンリョン)将軍殉国100周年、19年の課題としては、韓国三・一運動と中国の五四運動の100周年を例に挙げた。

 独立記念館韓国独立運動史研究所のチャン・ソクフン所長は「今回の会議の中国側参加者は、現代のチョ輔成のような方々であり、日本の歴史歪曲(わいきょく)に共同で対処し、アジアの平和のために力を合わせよう」と呼び掛けた。

 同日午後に会議を終えた参加者は、付近にある金九先生の避難先をもう1カ所訪ねた。嘉興に隠れていた金九先生は危険が身辺に迫るや、32年8月、チョ輔成の妻の実家が所有する南北湖の別荘に移った。金九先生は厳恒燮、安恭根(アン・ゴングン)ら秘書と共に杭州の臨時政府の状況を把握し、業務を遠隔で処理したが、6カ月後に嘉興に戻った。

 独立記念館の尹柱卿(ユン・ジュギョン)館長は「当初臨時政府関連の機関との協力に向けて始まった連席会議は、年を重ねるごとに参加範囲が広がり、韓中の歴史連帯と友好の場として定着した」と説明した。

嘉興(中国浙江省)=イ・ソンミン上級記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 韓中の抗日運動展示施設、深まる友好の絆

right

関連ニュース