勅使河原茜展「私の花」
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茜家元の家元継承後初の個展が2007年3月8日から13日まで日本橋高島屋において開催されました。
3月6、7日の2日間にわたり行われた制作には、およそ100個の花器、数百種類にものぼる世にも珍しい花材がふんだんに用意され、ボランティアスタッフ100名以上を含む200名余りのスタッフが茜家元のもと心をひとつにして制作にあたりました。
3月8日深夜午前2時30分、大勢のスタッフが見守る中、「終了です」という家元の静かな声で48時間以上にわたるすべてのいけ込みが終了。
「いけ終えた感想は?」との問いに、家元はただ一言「…疲れた」
2日間すさまじい集中力をとぎらせることなくいけ込みをした後だけに、これ以上の言葉がもう出てこない。しかし、言葉よりも何よりも、会場を埋め尽くす生まれたてのみずみずしい作品そのものが家元の気持ちを雄弁に物語っていました。
8日初日朝には、皇后陛下の行啓を賜りました。家元のご案内で丁寧に会場をご巡覧された皇后様は、にこやかに御帰還されました。
また、同日夜には高円宮妃久子殿下のご臨席を賜り、およそ80名のご来賓、関係者の列席のもとオープニングレセプションが開催されました。高円宮妃殿下からは草月とのゆかりにまつわるエピソードをまじえた心温まる御言葉を頂戴し、古流松應会家元千羽理芳先生、高島屋社長鈴木様からも力強い激励とお祝いのお言葉を頂戴しました。
つづきマイクの前に立った家元は、ようやく個展の実感がわいたのか、涙で声を詰まらせながら、家元継承から今に至るまでのおもいや、これからも植物からもらったエネルギーで皆様に笑顔になっていただけるような花をいけていきたいと未来への抱負を語りました。画家堂本尚郎様の乾杯の後、家元を中心に和やかな語らいは途切れることなくいつまでも続いたのでした。