野外コンサート会場で落雷死 賠償請求棄却

野外コンサート会場で落雷死 賠償請求棄却
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4年前、大阪市の野外コンサートの会場で起きた落雷事故で、亡くなった女性の両親が「安全な場所に避難させていれば事故は防げた」としてコンサートを主催した会社に賠償を求めた裁判で、大阪地方裁判所は「落雷を避けるのは自分の責任で行うべきことで、会社が女性を保護すべき義務を負っていたとは認められない」として訴えを退けました。
平成24年8月、大阪市の公園で、人気グループ「EXILE」などが出演する野外コンサートに来ていた北九州市の会社員、岩永牧子さん(当時22)が、開演前に起きた落雷事故で亡くなりました。
岩永さんの両親は「落雷の危険性は予測できたはずで、安全な場所に避難させていれば事故は防げた」として、コンサートを主催した東京・港区のコンサート運営会社「エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ」と大阪・北区の「ミューベンツ・ジャパン」に8000万円余りの賠償を求めていました。
16日の判決で大阪地方裁判所の長谷部幸弥裁判長は「当日発令されていた雷注意報は、事故が起きる抽象的な可能性にすぎず、会社が、事故を具体的に予測できたとは言えない。落雷を避けるのは自分の責任で行うべきことで、会社が女性を保護すべき義務を負っていたとは認められない」として、両親の訴えを退けました。

父親「納得いかず悔しい」

亡くなった岩永牧子さんの父親の浩美さんは「警備計画を見ると、客の誘導がされ被告の会社が管轄すべき場所だったと考えている。判決は、親としては納得いかないし悔しい」と話していました。
一方、被告の「エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ」と「ミューベンツ・ジャパン」は「判決が確定していないので、コメントは差し控えさせていただきます」としています。