経団連に加盟する大手企業の会社説明会の解禁(3月)から選考開始(6月)までのスケジュールが昨年に比べ2カ月短くなった今年の新卒採用。一方で中小企業にとっては学生と接触する時間も削られるため、採用担当者からは「説明会に学生を呼び込むだけで一苦労」とぼやく声も聞かれる。そんななか、離職率の低さや休暇の取りやすさなど労働環境が良い中小企業を集めた合同企業説明会が大阪で開かれた。ブラック企業ならぬ“ホワイト中小企業”のラブコールは学生たちに響くのか。(石川有紀)
「僕らがあこがれたシャープが経営危機になるなんて、大手だって何があるかわからない。うちは中小でも、若いうちから活躍できて、成長性もある」
「うちは公共事業の入札が多いから、高いレベルの法令順守が求められる。限りなく“ホワイト企業”を目指している」
3月中旬、企業ブースに集まった学生たちを前に、採用担当者がざっくばらんに「働きやすさ」をアピールした。大阪労働局が主催した一風変わったこの企業説明会の名称は「離職率が低い業界・企業研究会」。大阪の中堅・中小企業40社が集まり、平成29年春卒業予定の学生に就職を呼びかけた。
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