【記者手帳】二条城と集玉斎

 先週末、朝鮮第26代国王・高宗の書斎だった「集玉斎」が一般に公開された知らせを聞き、景福宮に足を運んだ。自分の脚で中に入ったその場所は、これまで遠くからしか眺められなかったあの建造物ではなかった。廊下の右側には高宗の御真(王の肖像画)が設置されていた。120年前、まさにその場で西洋の新学問関連書籍を収集し、外国に対抗して自強の道を探し求め、心を痛めていた王の焦る思いを想像した。二条城を見てきたからこそ、その思いは一層切実で生々しくなった。

 集玉斎が一般に公開されたのは、4月29日から5月8日までの期間、景福宮、昌徳宮、徳寿宮などで開催された「宮中文化祝典」の一貫だった。この祝典の内容は、主にこれら故宮の内部公開が中心で、過去に例のなかったことだ。また宮中の食事を準備していた景福宮の焼厨房(しょうちゅうぼう、宮殿の台所)も昨年100年ぶりに復元改修が行われ、今回の祝典期間中、実際に調理を行い試食することもできた。咸和堂と緝敬堂では一晩宿泊できる機会もあった。遠くから眺めるだけだった宮殿の方から庶民に近づいてきたようで、非常にうれしく感じた。これらはもっと早くからやるべきだっただろう。

 しかし不満も感じた。今回の故宮公開はイベント的な性格が強く、歴史的な意味合いを感じるという側面は弱かった。日本に連行され、心身共にやつれて帰ってきた英親王と徳恵翁主の兄妹が最後に息を引き取った楽善斎で、二人の晩年を再現するのはどうだろう。あるいは仁政殿の前庭に、強制合併条約締結直後、恥辱の記念撮影を行った当時の様子を復元し、後世の戒めとすることなども考慮してはどうか。

世論読者部=金泰勲(キム・テフン)部長
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