【コラム】女のお前が何を知っている? 「女性嫌悪」の頂点に立つ朴大統領

 朴大統領は、近ごろ韓国社会にはびこる「女性嫌悪」の頂点にいる。権力者で女性、なおかつ独身という理由で、あらゆる悪口を言われている。野党議員たちはことあるごとに「結婚したことがなく子どもを育てたこともない女」がきちんと政治をできるのかというニュアンスで大統領をおとしめる。先月の国会議員総選挙で与党が惨敗すると、コミュニティーサイト「日刊ベスト貯蔵所(イルベ)」も便乗した。保守派も革新派も一緒になって浴びせる朴大統領への口汚い非難は「天下の悪党」「政治売春婦」などという北朝鮮の妄言と「本質的に」同じだ。

 最高権力者に対する非難は昨日今日に始まったことではない。最初は全知全能の神でもあるかのように熱狂するものの、成果が期待に及ばないとあしざまに言いたくなるのだ。謙虚な姿勢で国民と対話しろと訓戒しながら、カリスマと決断力が足りないとなじったりもする。リーダーが女の場合、その激しさは倍にも増す。批判しつつも本流から外れないという道理はないのだろうか。好きだろうが嫌いだろうが私たちの大統領なのに、その格に見合った態度を取ることは卑屈なことなのか。

 男たちは、女のせせこましい被害者意識と言うかもしれない。ならばそうだとしよう。だが、被害者意識と一緒に投票権も持つ女たちに嫌われたくなければ、まずはジェンダーへの感受性を養うべきだ。女の大統領でも大統領だ。

金潤徳(キム・ユンドク)文化部次長
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