トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 首都スポ > 記事

ここから本文

【首都スポ】

東京医療保険大が連覇 平松が残り3秒で劇的V弾

2016年5月16日 紙面から

連覇を果たし喜ぶ東京医療保健大の選手たち=東京世田谷区の日本女子体育大で(北田美和子撮影)

写真

◇関東大学女子バスケット選手権<最終日>

 第50回関東大学女子バスケットボール選手権記念大会(東京中日スポーツ・東京新聞後援)の決勝リーグ最終日は15日、日本女子体育大学(東京都世田谷区)で行われ、第1試合で東京医療保健大が78−76で日体大に勝ち、大会2連覇を果たした。同点で迎えた第4クオーター(Q)残り3秒にG平松飛鳥(4年・明星学園)が決勝シュートを決める劇的な幕切れ。平松は昨年の初優勝時も同点から決勝点を決めており、2年連続での殊勲となった。3チームが2勝1敗で並んだが、ゴールアベレージ(総得点を総失点で割ったもの)で順位が決まった。

 76−76の同点。試合終盤第4Q残り4・1秒からのリスタート。ゴール右側のベースライン沿いに走り込んで、フリーになった主将のG平松にパスが渡った。ゴールよりちょっと先。折り返すような難しい位置だったが、身長162センチからのシュートはゆっくりとバスケットに吸い込まれた。残り3秒。劇的な決勝弾だ。

 「自分のところに来たらすぐに撃とうと決めてました。パスがすぐに来るはずだったのが、ワンクッション回った形になってフリーになれました」と平松は笑顔で振り返った。実は、平松は2年連続の決勝弾。しかも同点の場面で残り3秒という状況も同じ。まさに“持ってる女”。チームの春の選手権2連覇を引き寄せ、大会のMVPにも2年連続で選ばれた。

 日体大と追いつ追われつのシーソーゲームだったが、平松は「意外とみんな落ち着いていた。何とかなる、という感じはあった」。創部10年目で初優勝した昨年とは違い、王者として臨んだチームを感じさせた。

 新人賞に選ばれ、恩塚亨監督(36)から「勝負度胸がいい。勝負勘がある。これからが楽しみです」と評された、身長178センチのC藤本愛妃(1年・桜花学園)も「絶対負けないつもりだった。自分としては3人に寄せられて思うようなプレーができなかったのが、次回は寄せられても必ず跳ね返せるようにしたいです」と語った。

 恩塚監督は「試合って戦争です。熱い部分とクールに考える部分の両方がないと。選手が戦うごとに学んだことを次に生かしてくれたのがとてもよかった」と選手をたたえた。昨秋のリーグ戦は3位、全日本選手権(インカレ)は6位。今年はこれを上回っていくため、「一戦一戦積み重ねていくだけです」と静かに語った。(山内明徳)

早大−松蔭大 松蔭大に敗れ、うなだれながらスコア集計の結果を待つ早大の選手

写真

◆早大涙の準V

 勝てば5年ぶりの優勝だった早大は、松蔭大に逃げ切られて2勝1敗に終わり、並んだ3校の総得失点によるゴールアベレージ差で準優勝になった。田村未来主将(4年・聖カタリナ女子)は「新チームになってからみんなでつくってきて、優勝することしか考えていなかったので悔しい」と涙を流した。

 松蔭大戦は序盤にシュートが決まらずにリズムが狂い、守りも崩れた。第2Qからは立て直したが、第1Qの5点ビハインドが最後まで響いた。就任1年目の藤生喜代美ヘッドコーチ(34)は「一人一人が考えて行動できるチームになろうと話してきて、それができつつある」と今大会の収穫を話す一方で、秋のリーグ戦連覇に向け、オフェンス強化を誓った。

東京医療保健大に敗れ、がっくりと肩を落とす日体大の選手(青色のユニホーム)

写真

◆3連敗も秋へ収穫 日体大

 9年ぶりに決勝リーグに進んだ2部リーグの日体大は3連敗に終わった。北川主将は「マークがきつくても得点を決められるようにしないといけない」と自分の課題を挙げ、「メーンは秋のリーグ戦。この大会をかてとしてチームを強化して1部に復帰したい」と誓った。

 木下監督も「この3試合はいい経験ができた。最後の試合も落ち着いてやれていた」と収穫を口にした。

第4クオーター、シュートに持ち込む松蔭大の松永桃子

写真

◆早大に競り勝つ 松蔭大

 リスタートした松蔭大は2勝1敗で並んだ3チームの一つだったが、惜しくも3位。第2試合では早大との競り合いを制した。新人戦で選手登録に不正があったと指摘された昨年はチーム登録を抹消され、年度が変わって2部からの再出発。その最初の大会だった。「先輩たちの分も頑張りたい」と話していた松永桃子主将(4年・四日市商)は大会の得点王に選ばれる活躍ぶりで、見事に復活した。

2年連続で最優秀選手に選出され、賞品の米俵を手に笑顔を見せる平松

写真

◆MVP副賞はコメ30キロ

 大会50周年の企画として、MVPの東京医療保健大の平松に米30キロが副賞として贈られた。米作農家である、連盟学生委員長の阿久津恵里さん(大東文化大4年)の実家が協力した。

 ▽決勝リーグ

東京医療保健大78 17−20 76日体大

(2勝1敗)    20−13   (3敗)  

          19−24      

          22−19

      

松蔭大    72 21−16 67早大

(2勝1敗)    15−15   (2勝1敗)

          18−17  

          18−19      

 ▽5位以下の最終順位(5)拓大(6)白鴎大(7)順大(8)専大

    ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ