よく見てください、レゴじゃないんです。遊びながら点字が学べるんです
クリエイティビティとはこのこと。
デザイン事務所のLew’Lara\TBWAがブラジルの非営利団体であるDorina Nowill Foundationと協力して制作したこちらのレゴ風おもちゃ「Braille Bricks」。実はよくみるとてっぺんの凸がブロックによって異なっています。ピンと来た人もいるかもしれません、これ実は一つ一つが点字のアルファベットになっているんですね。
点字教育について全く知らない私でも、ひと目見ただけで画期的なアイデアだと分かります。ビデオではなぜこのアイデアが有り難いのか、説明してくれています。
こちらAnnyちゃんのお母さん。小さい頃、授乳をしている最中にAnnyちゃんがお母さんと視線を合わせないことに気づき、病院に連れて行くと重度の眼球振とうと診断されます。
そして小学校に入学する時、点字用のタイプライターを持って勉強しますと伝えると、先生に「でも私たちは点字を知りません。Annyちゃんを教えることができません」と言われてしまったそうです。
目で文字を読めなくても点字がある。でも点字を使う子どもたちも単語のスペルと意味を何度も繰り返し学習しなければいけません。
ブラジルでは盲者のために点字タイプライターを置いてある学校もありますが、無い学校も多く、教えられる先生となると限られてきます。このことが視力に障害を持つ子どもたちの学習の障害になっているそうです。
しかしこのBraille Bricksを使うと、子どもたちが楽しんで学ぶことができる他、スペルを間違っていたらブロックを取り外して並べ直せば良いだけ。タイプライターよりもずっと便利なんです。
実際にブロックとして組み立てて遊ぶこともできるので建物やオブジェクトと言語を組み合わせたパズルなんかも作れそうですよね。なにより子どもたちがパッと見て触りたくなるデザインが素晴らしいです、レゴの力おそるべしです。
レゴの公式のプロダクトというわけではないようですが、デザインはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスのもとで公開されているので彼らから購入しなくても自分たちで複製してしまっても問題無いようです。Braille Bricksもチャリティー目的で製作されているので、レゴから文句が出てくることはないでしょう。デザイン事務所のLew’Lara\TBWAは300セットを盲者のための団体であるDorina Nowill Foundationに提供したそうです。
ところで。
ところでですよ。こんなおもちゃを見てしまうと「そういえば点字ってどんな仕組みなの?」と思っちゃいますよね。アルファベットの点字はアルファベットの形に似せて対応させているようです。日本語は...と全視情協さんのホームページで学ばせていただくと、すごくシンプルなルールで作られていて覚えるのも簡単なことが分かりました。
まず母音の「あ、い、う、え、お」の点字を覚えるとその後は子音に対応した点の配置を覚えてしまうだけ。その組み合わせで五十音を表せるんですね。なるほど、今度街で出会ったら頑張って読んでみようと思います。
source: Braille Bricks via Taxi
Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)
- 点字・点訳基本入門―点字に興味を持ったら、最初に読む一冊
- 当山 啓|産学社
- N632小型点字器6行×32マス (ブルー)
- 日本点字図書館