世界の米軍基地を取材した米国のジャーナリスト、カプラン氏は在韓米軍が属する米太平洋軍を最高のエリート組織と評価している。実用主義で武装したハワイ司令部の将校たちが、ビスマルク方式の理想的な同盟戦略を展開しているという。韓国をはじめとする太平洋諸国が安保主権を留保し、米軍がこの地域に築いた扇状の防衛ラインに残ったり、参加を希望したりするのは、彼らが実践する「公正性」と「柔軟性」を尊敬しているためだ。これはB52爆撃機よりも魅力的な戦略資産だといえる。トランプ氏はこうした資産を根こそぎ捨てようとしている。
ジョージ・W・ブッシュ元米大統領は時おり核心を突いた発言をした。「米国にとって最も大きな誘惑は、撤退の誘惑」というのがその一つだ。米国外交の大きな流れである孤立主義のリスクを指摘したものだ。私たちが知っている米国なら、トランプ氏を選ぶことはないはずだ。だが、最近の米国は私たちの知る米国ではないように思える。だから同盟の出口戦略が必要だ。私たちは卑怯な国民ではない。