外交や安全保障面でも、韓半島(朝鮮半島)問題は自分たちの手には負えないため周辺大国に解決を任せるべきだという中進国的な発想を脱却すべきだ。米朝関係の改善なくして朝鮮半島の平和はないという主張、北朝鮮に最大の影響力を持つ中国の力を借りようという主張も納得できる部分はあるが、韓国にミドルパワー程度の力しかないため朝鮮半島問題を大国に委ねて責任を免れようという発想ではないのか、振り返ってみてほしい。
制裁と圧力を使って北朝鮮の誤った行動に罰を与えようとするのは当然だが、これは朝鮮半島問題の出口戦略とはなり難い。何よりも北朝鮮問題を私たちの問題と認識すべきであり、これを主導的に解決するための大胆かつ柔軟な発想が求められる。北朝鮮への関与も圧力も、韓国が主導したときに効果を発揮した。冷戦後、韓国が追求し続けてきた戦略目標である朝鮮半島の現状変更、すなわち冷戦構図の解消を実現するため、さまざまな手段を生み出していくべきだ。私たちは今、本来の目的を無視したまま、現状の維持に汲々としているのではないか。自分たちでは問題を解決できないという自己催眠に陥っているのではないか。よく問い直してみる必要がある。
今の韓国は経済、外交の両面で危機に直面している。ミドルパワーという立場に満足していられるほど、私たちに立ちはだかる試練は小さくない。まずは、中進国のため力が足りず、資産が限られているという固定観念を捨てよう。東アジアのミドルパワーではなく、国際社会の中枢メンバーに飛躍するため、あらためて気を引き締め、機運を高めていくときだ。これは絶え間ない革新と改革、そしてチャレンジ精神があってこそ可能なことだ。「やればできる」という気概で、私たちは中進国の仲間入りを果たした。今こそ「必ずできる」という気持ちで中枢国入りに向け一歩踏み出そう。