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 ベルギー検察当局は9日、パリ同時多発テロの関連で、テロ殺人などの容疑で逮捕したベルギー国籍モハメド・アブリニ容疑者(31)が、連続テロが起きた空港の爆発現場から逃走した「黒い帽子」をかぶった3人目の実行犯と確認されたと発表した。

 パリとベルギーの二つのテロに直接関与した容疑者が拘束されたことで、背後関係などの全容解明に期待がかかる。

 空港の監視カメラには、自爆死した実行犯2人と出発ロビーで行動を共にする黒い帽子に白っぽい上着の男が映っていた。アブリニ容疑者は調べに対し、現場にいたことを認め、上着はゴミ箱に捨て、帽子は売ったと供述したという。男は徒歩で逃走する途中、上着を街中に捨てたとされ、当局は情報提供を求めていた。

 アブリニ容疑者は8日、ブリュッセル南西部アンデルレヒトで拘束された。ベルギーテロでは、アブリニ容疑者の指紋やDNAが、自爆死した実行犯らが隠れ家として使っていたブリュッセル北東部スカルベーク地区の住宅から検出されていた。一方、パリテロでは、自爆犯がテロ前に滞在するホテルを手配するなど、後方支援の役割を果たしていたとみられている。(ブリュッセル=吉田美智子)