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【主張】ヘイト法案 拡大解釈招く懸念がある

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【主張】
ヘイト法案 拡大解釈招く懸念がある

 熊本地震の発生後、ツイッターに「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んでいる」などの書き込みがあった。意図はどうあれ、極めて不快だった。

 これもヘイトスピーチ(憎悪表現)の一種だろう。声高に差別的言辞を叫んで練り歩く集団なども同様だ。ことさらに憎しみや差別感情をあおるような発言やデマが許されないのは当然である。

 このことを大前提として、自民、公明両党が提出したヘイトスピーチ解消法案には問題が多い。法案の修正案は13日に参院本会議を通過し、月内に衆院でも可決される見通しだが、成立後も見直しの検討を続ける必要がある。

 法案の正式名称は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」であり、例えば日本人に対する差別表現は対象としない。

 「『本邦外出身者に対する不当な差別的言動』以外のものであれば、いかなる差別的言動であっても許されるとの理解は誤り」とする付帯決議も採択されたが、本則を付帯でひっくり返したようなもので、いかにも出来が悪い。

 ヘイトスピーチについても、他国の出身者を「地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」などと定義したが、民進党の修正要求により「著しく侮蔑する」などの文言が追加された。

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