参院本会議で可決 衆院へ送付
特定の人種や民族に対し差別的言動を街頭などで繰り返すヘイトスピーチの対策法案が13日の参院本会議で賛成多数で可決された。衆院に送付され、今国会で成立する見通し。憲法が保障する表現の自由に配慮し、禁止や罰則の規定はない。
法案は、ヘイトスピーチを「差別的意識を助長する目的で、公然と生命や身体などに危害を加えると告知したり著しく侮蔑したりするなど地域社会から排除することを扇動する不当な差別的言動」と定義。国に解消に向けた取り組みの責務を、地方自治体には努力義務を課している。
保護対象を「適法に居住する日本以外の国や地域の出身者と子孫」としているが、付帯決議に「あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約の精神に鑑み対処する」と盛り込んでいる。【鈴木一生】