【上坂すみれコラム】
皆さま、こんにちは。前回に引き続き今回も、4月29日、大手町サンケイプラザでの公開録音「上坂すみれの文化部は大手町を歩く」の模様をお届けいたします。
今回のゲストは美術評論家・山田五郎さんです。山田さんとは、2月に開催された「魔女の秘密展」のオープニングセレモニーでご一緒させてもらいました。そのときに「ドイツの建築がすごいんだぞ」ということを控室でおっしゃっておられたのを覚えています。山田さんは、私がゴスロリの衣装を着ていたので、ゴシックの話をしてくださったみたいです。
ゴスロリのゴスはゴシックのゴス。ゴート族的なという意味です。ゴート族ってああいう趣味だったんですね。ゴート族はゲルマン民族の一派のことで、ローマの人から見たら野蛮な民族っていう、軽蔑した意味になるようです。ゴシックは、ごちゃごちゃした様式だから、ゴート族的な野蛮な様式というので名付けられたそうです。そのわりに今見るとおしゃれですけどね。
山田さんがおっしゃるには、ゲルマンには日本と同じように「ご神木信仰」というのがあったそうです。その「ご神木信仰」にキリスト教が入ってきて生まれたのがクリスマスツリーなんです。じゃあ、イエス・キリスト本人は、なぜツリーを飾るのかわからないってこと?
しかも、誕生日は12月25日じゃなくて。山田さんがおっしゃるには、ケルトには冬至の祭りがあったそうです。もともとあった冬至のお祭りにキリスト教が入ってきたから、イエス様の誕生日をそこに充てたんですって。けっこう決めた当時は無理やり感があったんでしょうね。