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【大相撲】

新十両・佐藤が7連勝  

2016年5月15日 紙面から

佐藤(奥)がはたき込みで明瀬山を破る=両国国技館で(北田美和子撮影)

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◇夏場所<7日目>

 (14日・両国国技館)

 新十両の佐藤(19)=貴乃花=が初日から7連勝し、勝ち越しに王手。173センチと力士にしては低い身長を逆に生かし、「全勝優勝したい」と、目標は大きい。横綱白鵬は碧山を突き落とし、大関稀勢の里が逸ノ城を送り出して、ともに7連勝でトップを守った。

 あなたの周りに一人はいる「佐藤」さん。親しみのわくしこ名に、新十両の佐藤は「そう思ってもらったらうれしいですね」と19歳らしく初々しい笑みを浮かべた。相撲を見ればもっとひきつけられる。幕内経験もある173キロの明瀬山をもろ手で突いてはたき込み。7連勝でストレート勝ち越しに王手をかけた。師匠の貴乃花親方(元横綱)から「立ち合いは頭だけじゃなく、肩やもろ手でいけ」というアドバイスもあり、考えながらの取り口が光る。

 身長は高校2年生で止まって173センチだが、生まれたとき2700グラムだった体重は160キロまで成長した。低い身長を武器にして体を丸くして攻める、馬力ある押し相撲で「今場所はまだ相手にまわしを引かせていません」と自分の相撲を取りきっている。

 負けん気も強い。5歳で始めた極真空手。小学校3年生の6月に出場した「第10回グランドチャンピオン決定戦」で準優勝の実績がある。これが相撲を始めるきっかけとなった。

 「判定になったんですけど、5人の審判で2対3で負けた。自分の感覚とは違ってた」。相撲にも審判はいるが、白黒がはっきりつくのが相撲の魅力。「相撲で見返してやろうと思った」。小3で20キロしかなかった体重を小4で50キロまで増やした。

 8日目で勝ち越しを決めれば、新十両としては昨年名古屋場所の御嶽海以来6人目。ただ、佐藤が目指すのはそこではない。「目標は全勝優勝ですね」。1949年夏場所の15日制以降では、まだ誰も達成していない新十両の全勝優勝。関取になった今も電車で通う佐藤は、そう力強く宣言すると両国駅に向かった。 (岸本隆)

 

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