被害者から17年、清原被告再び425号法廷へ…当時の裁判長語った

2016年5月15日10時30分  スポーツ報知
  • 17日午後1時半から清原被告の初公判が開かれる東京地裁
  • 裁判所合同庁舎

 覚醒剤取締法違反罪(所持・使用)で起訴され、保釈中の元プロ野球選手・清原和博被告(48)の初公判が17日、東京地裁で行われる。審理は425号法廷。実は清原被告が同法廷の証言台の前に立つのは2度目となる。1999年、恐喝未遂事件の被害者として証人尋問を受け、105分間にわたって証言を行った。あれから17年。被告人として出廷する元天才打者へ当時の裁判官が心境を明かした。スポーツ報知では初公判まで「裁かれる天才打者 17日清原被告初公判」と題し清原被告の周辺を追う。

 初公判の舞台となる東京地裁425号法廷に清原被告が出廷するのは、実は2度目だ。

 17年前、証言台の前に立った清原現被告と向かい合い、証言に耳を傾けた当時裁判長の山内昭善さんは、スポーツ報知の取材に「当時のことはよく覚えています。脅された被害者としての証言でしたが、きちんと受け答えしてくれました」と振り返った。

 1999年。一緒にゴルフをラウンドした写真を材料に、清原現被告らから金を脅し取ろうとした暴力団関係者らが恐喝未遂罪で起訴される事件があった。同年11月4日、425号法廷で行われた被告人公判に検察側証人として出廷したのが、当時32歳の清原現被告だった。

 金色に染めた髪を刈りそろえ、濃紺スーツ姿の清原現被告は、被告人に視線を走らせながら証言台へ。検察官、被告側弁護人、裁判官からの質問に105分間にわたって応じ、脅された時の様子や、ゴルフをプレーした時の詳細について明確に述べた。

 証言の最後に、山内さんが「被告は脅すつもりはなかったと言っていますが…」と問うと「正直に言いますと、何ゆうてんねんという感じです」と、思わず大阪弁になって本音を吐露。検察官に「厳しく処罰してほしい。許せない。僕の足元を見て脅迫してきた」と強い口調で言い切った。

 17年の時を経た今、清原被告が「被告人」として立つことになった425号法廷は、過去にも多くの著名人の裁判が行われてきた地裁内の“名物法廷”。2004年の田代まさし元被告の初公判以降は押尾学元被告、酒井法子元被告、ASKA元被告と、覚醒剤事件の公判の舞台となってきた。

 日比谷公園での傍聴券交付が決まった初公判。傍聴席は42席だが、記者クラブ加盟各社に割り当てがあり、一般傍聴席は20席前後になるとみられる。清原被告の前回出廷時は24の傍聴席に対して291人の希望者が行列をつくったが、今回はケタ違いの争奪戦が繰り広げられることは間違いない。

 山内さんは各裁判所の判事を歴任した後、2013年末で退官した。「まさか彼が薬物事件で被告人になるとは思いませんでした。ただ残念です。私に言えることはそのくらいです」

 正反対の立場で臨む証言台は、清原被告の目にどう映るのだろうか―。(北野 新太)

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