甲州市勝沼町下岩崎の市立勝沼図書館で14日、手話による絵本の読み聞かせ会があった。

 耳の聞こえない子どもたちに絵本の楽しさを伝える会「まーの・あ・まーの」が同館を中心に年に4、5回行っている。自身も聴覚障害のある同会代表で、県立ろう学校教諭の小佐野(おさの)貴恵さん(37)が、手話で子どもたちに「きをつけて おおかみだ!」など2冊の絵本を読み聞かせた。

 この日は耳の聞こえない子どもやその兄弟姉妹ら約30人が参加。表情豊かに、全身を使った手話で絵本の話を表現する小佐野さんの読み聞かせに、子どもたちは楽しそうに見入っていた。

 難聴の4歳の息子らと一緒に訪れた忍野村の渡辺しのぶさんは、「生き生きとした表情や身ぶりに引き込まれる。家で子どもに読み聞かせをするときの参考になる」。

 小佐野さんは「耳の聞こえない子にも絵本の面白さを知ってもらいたい。耳の聞こえない子と、聞こえる子の交流の場にもしていければ」と話す。

 次回の読み聞かせ会は、県立図書館(甲府市)で8月27日に開かれる。