2016年5月14日16時30分
3月に開かれた東京アニメアワードフェスティバル2016で、「コンペティション部門・長編アニメーション」の優秀賞を受賞した3Dアニメ映画「西遊記之大聖帰来」(西遊記 ヒーロー・イズ・バック)。15年に中国で公開され、2カ月で約190億円という驚異的な興行収入を記録。中国アニメ映画史上最大のヒットとなった作品だ。来日した田暁鵬(ティエンシアオポン)監督に聞いた。
「西遊記のアニメ化は自分の人生を懸けてでも実現したかった」。そう語る田監督は1975年生まれ。大学卒業後に外資系アニメ制作会社に就職。99年、北京にアニメスタジオを設立した。「西遊記は何度もアニメ化された有名な話。人それぞれ孫悟空のイメージを持っている」。だが、新たに作り出した孫悟空は、従来のイメージを完全に打ち破った。
痩身(そうしん)に馬面。革の鎧(よろい)に身を包み、極太の如意棒を振り回す。「孫悟空の活躍ぶりを考えれば、様々な人生経験を持つ中年男のようなキャラであるべきです。もっと人間味あるヒーローとして描きたかった」
設定やストーリーも独創的だ。孫悟空を救う三蔵法師は7歳の子ども。追いかけてきた妖怪を倒すところで第1部の本作は終わる。
日本での公開に向け準備も進む。「中国が日本と同じアニメ文化という言語を持っていることを理解してもらえれば」(竹端直樹)
おすすめコンテンツ