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高級マンション暴落 供給急増が背景に

大同江沿いに高層マンションなどの開発が進む平壌市内=2016年5月7日、大貫智子撮影

 【ソウル米村耕一】平壌市内の高級マンション価格が今年に入って半値以下に暴落していることが、複数の北朝鮮関係筋の話で明らかになった。北朝鮮で不動産売買は禁じられているが、実際は水面下で頻繁に売買されているという。朝鮮労働党の党委員長に就任した金正恩(キム・ジョンウン)氏のこれまでの政策で、市内のマンション供給が急増したことなどが背景にあるとみられる。

 関係筋によると、平壌市中心部に建つ高層マンションは、昨年後半に約200平方メートルの最も高い物件が20万ドル(2200万円)ほどに上がった。

 中心部の住宅価格が高いのは、電力不足で停電が恒常化するなか、こうした物件には優先的に電力が供給されるためだ。しかし、今年に入ってそうしたマンションも半値以下になったという。

 金正恩氏の時代に入り平壌市内では2012年に倉田(チャンジョン)通りに高層マンション群を建設。また、昨年秋には未来科学者通りにも完成した。さらに、今年3月には新たに大学研究者ら向けの住宅や公共施設が入る「黎明(リョミョン)通り」の建設も始まった。

 市内で供給過多が予想されることから、富裕層が買い控えているとみられる。また、新築マンションには当初、電力が100%供給されていたが、完成後しばらくして50%以下に削減されるケースが相次いだことも、価格の下落に拍車をかけたようだという。

 一方、住宅建設ラッシュが続く中で、こうした事業を理由に当局が市民から現金の上納を求めることも常態化しており、周囲の目を気にして支払わざるを得ない市民の間には、あきらめと不満の入り交じった感情が広がっているという。

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