近年、日本のコンシューマ向け家電に元気がなく、韓国や中国の企業にシェアを奪われる事例が相次いでいる。そのため、中国では日本企業ひいては日本経済に対して「もう沈没寸前」などと報じるメディアも存在し、もはや中国企業は日本企業を超えつつあると認識している中国人も少なくない。

 熊本、大分両県で規模の大きな地震が断続的に発生し、被災地で生産されていた「部品」が地震によって生産停止となり、世界各国で部品調達ができなくなるのではと懸念が高まった。こうした状況は東日本大震災の際にも起きたことだが、中国メディアの今日頭条は、もしも世界から日本がなくなったら、どのような状況が発生するのか考察している。

 経済分野について、国内総生産(GDP)が世界第3位の日本が世界から消えてしまえば、世界経済に大きな影響が出ることは考えなくとも分かることだ。特にアジアには甚大な影響が出るだろう。電子機器や自動車など、日本から部品を調達していた企業は製品を作れなくなってしまい、業績悪化ひいては倒産という可能性だってあるだろう。

 記事は経済分野のみならず、日本のアニメや漫画などの文化を取り上げ、日本が消えればこうした文化も消えてしまうと指摘したうえで、「愛好家にとっては人生の重要な支えを失ってしまうだろう」と主張。中国にも中国産アニメは存在するが、正直なところ魅力的な商品ではないように感じられる。特に若者の好きな漫画やアニメのほとんどは日本のアニメであり、ドラゴンボールやスラムダンクといった漫画は中国でも知らない人はいないほどだ。

 ほかにも、「アダルト産業」や「インスタントラーメン」が無くなってしまうと指摘している。インスタントラーメンは中国にも存在するが、日本メーカーのインスタントラーメンは中国でも人気だ。また、アダルト産業は中国では公式には認められていない違法産業だが、日本の一部のセクシータレントは中国で大人気で、しばしば中国のイベントなどに出演している。

 「もしも日本が無くなったら」と考えるのは恐ろしい事だが、世界における日本の地位を知る上では大切な問題ではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)