BABYMETALが米チャート入りした意外な理由

53年ぶりの“快挙”に学ぶコンテンツ海外輸出成功の方程式


山口哲一 (やまぐち・のりかず)  音楽プロデューサー、コンテンツビジネス・エバンジェリスト

1964年東京生れ。音楽プロデューサー、エンタテック・エバンジェリスト。(株)バグコーポレーション代表取締役。『デジタルコンテンツ白書』(経済産業省監修)編集委員。プロ作曲家育成の「山口ゼミ」 、次世代プロデューサーを養成する「ニューミドルマン・ラボ」主宰。エンタメ系スタートアップを支援する「START ME UP AWARDS」実行委員長。異ジャンルのクリエイターが出逢い創る「クリエイターズキャンプ真鶴」オーガナイザー。プロデュースのテーマは、テクノロジー&ソーシャルメディア活用、グローバルな活動、異業種コラボレーションの3つ。エンターテインメントとテクノロジーに関する知見を活かして、パネルディスカッションのモデレーターやITサービスへのアドバイザーとしても活動している。最新刊『新時代ミュージックビジネス最終講義』(リットーミュージック)の他、著書多数。詳細プロフィールはこちら

ビジネスパーソンのためのエンタメ業界入門

日本のエンタメ業界は、テレビ、出版、映画、アニメ、音楽それぞれ、タコツボ化しながら、複雑な仕組みを熟成、進化させてきた。デジタル化の進展で、従来は有効に機能していたシステムが足かせになるケースが増えていている。この構図は日本的な産業構造の典型的な例ではないだろうか? 従来の仕組みを有効に活かしながら、デジタル技術やソーシャルメディアの発展とどう向き合っていくのかを考えることは、日本経済の未来予測に示唆することにつながるはずだ。また、日本国内だけでなく、海外コンテンツビジネスの最新情報の紹介や、影響に関しても論考していきたい。(写真:アフロ)

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日本のアイドルグループ「BABYMETAL」が4月23日付ビルボード、全米アルバム・チャートで39位にチャートインしました。日本人アーティストがTOP40入りしたのは、1963年に坂本九のアルバム『Sukiyaki And Other Japanese Hits』が14位に入って以来53年ぶり、史上2組目の快挙だそうです。

●BABYMETAL、全米TOP40入りの快挙 坂本九さん以来53年ぶり2組目
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/12/baby-metal_n_9675478.html

 その割にはメディアやネットを散見して、日本国内で正当な評価、分析が行われていないように感じられたので、コンテンツ輸出のプロデュース、マーケティングの成功例という観点で、この現象を紐解きたいと思います。WEDGE Infinityは、久しぶりの投稿になってしまって申し訳ありません。ビジネスパーソンにとって有益な論考にしますのでご容赦下さい。

米国でビルボード・チャート入りを果たした3人組アイドルグループ「BABYMETAL」(Getty Images)

 今回の「BABYMETAL」ビルボードチャートインという成果から読み取るべきと僕が思うのは、複数の文脈(コンテキスト)を活用したマーケティング戦略だったということです。「クールジャパン」×「メタルロック」という2つの文脈を掛けあわせることができたことが、今回の勝因なのです。

 詳しく見てみましょう。

 「BABYMETAL」は、2010年に”アイドルとメタルの融合”をテーマに結成された3人組ガールズユニットです。結成当時の平均年齢は15.7歳。元々は、大手音楽事務所AMUSEによるアイドル「さくら学院」から派生したクラブ活動の一つ「重音部」という位置づけでした。その後、独立したグループとして活動するようになります。

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「ビジネスパーソンのためのエンタメ業界入門」

著者

山口哲一(やまぐち・のりかず)

音楽プロデューサー、コンテンツビジネス・エバンジェリスト

1964年東京生れ。音楽プロデューサー、エンタテック・エバンジェリスト。(株)バグコーポレーション代表取締役。『デジタルコンテンツ白書』(経済産業省監修)編集委員。プロ作曲家育成の「山口ゼミ」 、次世代プロデューサーを養成する「ニューミドルマン・ラボ」主宰。エンタメ系スタートアップを支援する「START ME UP AWARDS」実行委員長。異ジャンルのクリエイターが出逢い創る「クリエイターズキャンプ真鶴」オーガナイザー。プロデュースのテーマは、テクノロジー&ソーシャルメディア活用、グローバルな活動、異業種コラボレーションの3つ。エンターテインメントとテクノロジーに関する知見を活かして、パネルディスカッションのモデレーターやITサービスへのアドバイザーとしても活動している。最新刊『新時代ミュージックビジネス最終講義』(リットーミュージック)の他、著書多数。詳細プロフィールはこちら

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