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被災マンション 重い再建の扉 不安の管理組合

地震で大きな被害が出たマンション=熊本市内で2016年5月13日、野田武撮影

発生から1カ月 住民避難で総会も開けず…

 熊本地震発生から14日で1カ月を迎え、被災した分譲マンションの修復が滞っている問題がクローズアップされている。共有部分のひび割れなどを補修するには、マンションの所有者で作る管理組合の総会での同意が必要だが、避難者が相次ぎ「役員不在で総会を開けない」といった事態を招き、組合の委託を受けて管理業務を担う業者の手も回っていない。この日開かれた管理組合向けの相談会の会場は、不安を抱えた参加者であふれた。【井川加菜美、田中韻、吉川雄策】

 県内の管理組合などで構成するNPO法人「熊本県マンション管理組合連合会」は14日、弁護士や東日本大震災で被災した管理組合の役員らを招き、相談会を開催。発生から1カ月たった時期であれば余震が収まっていると見越し、住民らの不安解消に乗り出した。

 非会員の管理組合を含め、93組合の役員ら約200人が参加。用意された椅子では足りず、会場には立ったまま説明を聞く人たちの姿もあった。「住民の高齢化が進む中で、どれくらいの費用がかかるか不安。1カ月たつが修繕のメドが立たない」。熊本市東区のマンション管理組合の役員を務める男性(64)は訴える。水道が復旧せず住民は避難先から戻っていないという。

 マンション管理会社で作る「マンション管理業協会」(東京都港区)によると、熊本県内の会員会社29社が管理する572棟を調査したところ、回答があった294棟(4月28日現在)のうち5割強の156棟で被害が確認された。内訳は、建て替えが必要な「大破」1棟▽大規模な補強・補修が必要な「中破」5棟▽タイル剥離、ひび割れなど補修が必要な「小破」113棟−−などだった。

 分譲マンションで廊下など共有部分の補修などをする場合、所有者が積み立てた修繕積立金や保険金を充てる。管理組合が総会を開き、工事の内容などに応じて所有者の一定数の同意が必要になるが、同連合会には「住民が避難して総会が開けない」「(総会を招集する立場の)理事長がどこにいるか分からない」などと約50件の相談が寄せられている。

 熊本市中央区の分譲マンションに住む女性(58)は、部屋の天井から壁にかけて長さ約1メートルのひびが入った他、廊下やエレベーターホールなどにもひび割れや水漏れなどの被害が出て、一時は避難所で暮らした。「地震とは無縁」と思い、15年前に購入した際、地震保険には加入せず、自分の部屋を修復する見通しは立っていない。

 共有部分についても、管理会社に問い合わせているがなかなか連絡がつかない。区役所に相談に行っても「応急危険度判定では問題ない」と言われたといい、「余震も続き、住み続けられるのか不安なのに誰からもアドバイスをもらえない」と焦燥感をにじませる。

 熊本市東区の分譲マンションに住む50代の女性宅は、共有部分の廊下などにひびが入り管理会社に相談したが、「所有者に一括して説明する」と言われたまま、明確な回答がない。市内で多数のマンションを管理する業者は「居住者への情報提供が最優先だが、人手が足りず、不満を抱かせているのは否めない」と話している。

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