話題のドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)に出演中の太賀(23才)が、圧巻の演技とツイッターなどでも話題になっている。宮藤官九郎脚本で、岡田将生、柳楽優弥、松坂桃李、安藤サクラら演技派の俳優揃いの中にあって、異彩を放つ太賀の演技への注目度はグングン上昇中だ。テレビ解説者の木村隆志さんが彼の魅力を解説する。
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これほど不快感を醸し出すキャラクターは、『半沢直樹』(TBS系)の“机バンバン”こと小木曽次長(緋田康人)以来でしょうか。それほど“ゆとりモンスター”山岸ひろむを演じる太賀さんの存在感は際立っています。
1話のドラマ開始わずか1分で登場した太賀さんは、いきなりフルスロットル。取引先回りの営業に遅刻したあげく、「駅からタクっちゃいました」。取引先へのあいさつで、「本当はマーケティング志望なんですけど、まあ営業で」。会社の上司に、「自分、泥仕事したくないんで。用もないのに得意先回りなんて」。飲み会の誘いに、「それって強制すか?ダルいんすよね」と人を食ったような演技を連発しました。
その後も、説教中にFacebookを更新し、仕事の受注ミスも「やっちゃいました。早めに気づいてよかったです」と開き直る始末。激怒した上司の坂間正和(岡田将生)に、深々と頭を下げて反省したと思ったら、翌朝LINEで「会社辞めまーすwww」「あんな上司と働いてたらマジ死ぬ」と宣言して度肝を抜きました。
2話以降も、坂間をパワハラで訴えた上に、「まず謝れよオッサン!土下座しろよ」と罵声を浴びせながら「ネットに上げるぞ」とスマートフォンで撮影。「裁判しましょうよ!」と凄んだと思ったら、一転して机に頭をつけて、「以前の発言は感情的になってしまい……」と消えそうな声で謝罪。坂間が店長を務める焼き鳥店へ閉店間際に来て、接客にダメ出し。翌日に謝ったと思ったら、すぐにまた毒づくなど、表情筋をフル活用して情緒不安定なキャラを演じています。
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