「被害者イメージ作成」中国は否定的報道
【北京・河津啓介】中国の主要メディアは11日、オバマ米大統領の広島訪問の発表について「日本が第二次大戦での被害者イメージを作ろうとしている」(国営新華社通信)などと否定的に報じた。
新華社は「オバマ大統領の広島訪問は、原爆投下への謝罪のためではない」との見出しで報道。国営中国中央テレビや国際情報紙「環球時報」も、インターネット版の記事で新華社と共通する論調で報じた。
中国メディアは、4月に主要7カ国(G7)の外相が広島市の平和記念公園を訪問した際も、同様の反応を示した。また、外務省はG7外相の広島訪問について「日本政府が軍国主義の道を再び歩まない決意表明であることを望む」と戦争責任と関連付けて論評していた。
中国は昨年春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議でも、被爆地訪問を呼びかける日本の提案を「歴史歪曲(わいきょく)の道具としている」と反対しており、一連の報道はこうした政府の意向が反映されているとみられる。