受け入れ準備、本格化
広島市、「大統領受入本部」第1回会合開く
オバマ大統領の広島訪問が決まり、広島市は11日、「大統領受入本部」を設置して第1回会合を開いた。警備を担う広島県警の幹部は「情報は報道からのみ。全くの白紙状態」と困惑しながらも準備に追われている。
市の受入本部は松井一実市長を本部長とし、初会合には危機管理担当局長ら関係局長8人と担当課課長らが参加。大統領を迎える準備に取り組む。市は4月に市内であった主要7カ国(G7)外相会合の際は、企画総務局に外相会合担当部長を置くなどして備え、今回も新たに態勢を整えた。
県警は、伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)に向けて既に約2週間前から現地に警察官を派遣している。オバマ大統領の広島訪問はサミット直後となるため、県警サミット対策課は「派遣警官を広島に戻すよう警察庁と調整しなくてはならない」という。
警察庁の金高雅仁長官の事前視察や、米国からの先遣隊なども予想される。県警はG7外相会合時と同様、県警職員が同伴して警備上の地理的条件などを説明する必要があると考えており、この準備にも追われそうだ。
交通機関などとの連携も求められている。広島空港(広島県三原市)ターミナルビルの管理会社は「この空港を利用するか不明だが、コインロッカーの使用を停止するなどテロに備えたい」という。県警サミット対策課の担当者は「訪問は陸路なのか空路なのか、オバマ大統領と安倍晋三首相以外に警護対象者がいるのか、移動範囲はどの程度なのか。分からないことばかりだ」と本音を漏らしながらも、「外相会合などで積み重ねた警備訓練を生かし、適切に対応したい」と話していた。【竹内麻子、石川将来、東久保逸夫】