- はじめに
- 事前予想
- 週刊少年ジャンプ・バトル漫画に関する検討
- コブラ(1978~)
- キン肉マン(1979~)
- 北斗の拳(1983~)
- ドラゴンボール(1984~)
- 魁!!男塾(1985~)
- ジョジョの奇妙な冒険(1986~)
- 聖闘士星矢(1986~)
- BASTARD!!-暗黒の破壊神-(1988~)
- DRAGON QUEST-ダイの大冒険-(1989~)
- 幽☆遊☆白書(1990~)
- 忍空-NINKU-(1992~)
- 封神演義(1996~)
- ONE PIECE(1997~)
- HUNTER×HUNTER(1994~)
- シャーマンキング(1998~)
- NARUTO-ナルト-(1999~)
- BLACK CAT(2000~)
- BLEACH(2001~)
- 武装練金(2003~)
- D.Gray-man(2004~)
- 家庭教師ヒットマン REBORN!(2004~)
- ぬらりひょんの孫(2008~)
- トリコ(2008~)
- めだかボックス(2009~)
- ワールドトリガー(2013~)
- 僕のヒーローアカデミア(2014~)
- 検討
はじめに
漫画に出てくる専門用語や技の名前。
それがいかにかっこ良いか、ということが、漫画の面白さに影響を与える場合があります。
中でも外国語を使ったりすると、かっこ良くなることも多いでしょう。
そこで、週刊少年ジャンプ漫画において、漫画内の用語(能力名、技名、漫画内専門用語など)が外国語に由来している場合、何語に由来するものが多いかを整理してみました。
ジャンプ漫画全般では、範囲が広すぎるので、ジャンプ連載のバトル漫画のうち、特にメジャーなもの(アニメ化されているかが一つの判断基準)に絞っています。
事前予想
かっては、英語を使っているだけでかっこ良くなるという時代があった。
しかし、現代では、英語の普及もあり、単に英語というだけでは大した印象はない。
そこで、「昔の漫画においては、英語由来の用語をカタカナ表記で使うか、日本語にフリガナを振ったとしても、その日本語は直訳に近い。他方、近年の漫画においては、日本語にフリガナを振って日本語を直訳と離れた意味にするか、英語以外の言語を使うことが多い」のではないか?
というのが事前の予想でした。
週刊少年ジャンプ・バトル漫画に関する検討
以下、「主な外国語」というのは、当該作品における外国語由来の漫画内用語のうち、元ネタになることが多い言語のことを言います。
実際に読み直して集計したわけでもなく、うろ覚えの記憶から作成しているので、おかしいところもあるかもしれません。
なお、漫画によって記載の量に濃淡があるのは、むかし読んだだけで記憶が曖昧なものがおるのと、詳しく書いていくとあまりに長くなりすぎることに途中で気づいたからです。
コブラ(1978~)
主な外国語:英語
ほぼ英語のみ。
表記は概ねカタカナ。
キン肉マン(1979~)
主な外国語:英語
ほぼ英語のみ。
表記はカタカナが多いが、日本語にフリガナの場合もある。
(完璧(パーフェクト)超人など)
北斗の拳(1983~)
主な外国語:英語
ほぼ英語のみ。
表記はカタカナが多いが、日本語にフリガナやアルファベット表記もある。
(GOLANなど)
ドラゴンボール(1984~)
主な外国語:英語・中国語。
外国語自体そこまで使われていない。
タイトルは、英語。
技名は、日本語か英語が多い。
西遊記がベースとなっているだけあって、中国語も登場する。
(神龍(シェンロン)、四星球(スーシンチュウ)など)
英語由来の用語はカタカナ表記が多いが、日本語にフリガナをつける場合もある。
(超(スーパー)など)
中国語由来の用語は、日本語にフリガナ表記が多い。
日本語表記はほぼ直訳。
魁!!男塾(1985~)
主な外国語:英語
技名は日本語が多い。
表記は、漢字の当て字にフリガナが多い。
ジョジョの奇妙な冒険(1986~)
主な外国語:英語
各部の副題の一部は英語。
(ファントムブラッドなど)
能力名は、洋楽由来が多いこともあり、英語が多い。
登場人物が英語やイタリア語をはなすこともある。
Exactly(そのとおりでございます)、アリーヴェデルチ(さよならだ)など。
表記は、初期は、日本語にフリガナ表記だったが、やがてカタカナが多くなっていった。
(山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)、幽波紋(スタンド)など)
日本語表記は、直訳が多い。
聖闘士星矢(1986~)
主な外国語:英語
タイトルの一部は英語。
用語は英語。
表記は、日本語にフリガナの場合と、カタカナの場合とがある。
(聖衣(クロス)、小宇宙(コスモ)、セブンセンシズなど)
日本語表記は直訳から大きくは離れていない。
BASTARD!!-暗黒の破壊神-(1988~)
主な外国語:英語
タイトルの一部は英語。
表記は日本語にフリガナが多い。
日本語は、直訳から離れたものも多い。
DRAGON QUEST-ダイの大冒険-(1989~)
主な外国語:英語
呪文は、ゲーム由来のものも多い。
その多くは外国語ではないが、一部は英語ベース。
表記は、日本語にフリガナ。
幽☆遊☆白書(1990~)
主な外国語:英語
表記は日本語にフリガナが多い。
日本語は概ね直訳だが、やや直訳から離れたものもある。
忍空-NINKU-(1992~)
主な外国語:英語
ほとんど外国語由来の用語はないが、わずかにあるものについては英語由来。
表記はカタカナ。
封神演義(1996~)
主な外国語:中国語
外国語由来の用語は、そこまで多くはないが、モチーフが中国文学だけあって、中国語由来の用語がある。
宝貝(パオペエ)、師叔(スース)など。
表記は、日本語にフリガナ。
ONE PIECE(1997~)
主な外国語:英語
タイトルは英語。
悪魔の実は日本語。
外国語由来の用語は、英語のものが多い。
悪魔の実の3分類、動物(ゾオン)系、自然(ロギア)系については、ギリシャ語がベースともいわれる。ただし、いずれも英語の接尾語として存在するので、英語がベースとも言える。
表記は、カタカナが多いが、動物系の各モデルなど日本語にフリガナが記載される場合もある。(隼(ファルコン)など)
また、偉大なる航路(グランドライン)やひとつなぎの大秘宝(ワンピース)など、日本語表記が
必ずしも直訳ではないこともある。
HUNTER×HUNTER(1994~)
主な外国語:英語
タイトルは英語。
表記は、日本語にフリガナが多い。
念能力(発)は、英語が多い。
日本語は、直訳に近いものもあるが、全く関係のないものもある。
シャーマンキング(1998~)
主な外国語:英語
用語は英語由来が多い。
表記は、カタカナの場合とアルファベットの略称にフリガナの場合がある。
NARUTO-ナルト-(1999~)
主な外国語:英語
ほとんど外国語は登場しない。
表記はカタカナ。
BLACK CAT(2000~)
主な外国語:英語
タイトルは英語。
用語は概ね英語由来。
道士(タオシー)関係は中国語。
表記は、日本語にフリガナが多い。
日本語は概ね直訳。
BLEACH(2001~)
主な外国語:スペイン語、ドイツ語、英語
タイトルは英語。
虚(ホロウ)、破面(アランカル)、チャド関係の用語は、スペイン語が多い。
大虚(メノスグランデ)、虚圏(ウェコムンド)、十刃(エスパーダ)、巨人の一撃(エル・ディレクト)など。
滅却師(クインシー)関係の用語は、ドイツ語が多い。
神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)、滅却師最終形態(クインシー・レットシュティール)など。
その他、英語も用いられる。
尺魂界(ソウルソサエティ)、整(プラス)、完現術(フルブリング)など。
表記は、概ね日本語にフリガナ。
独自の用語が多く、日本語表記は直訳ではないことが多い。
武装練金(2003~)
主な外国語:英語
武装錬金の名前、武装錬金のモチーフになった武器は英語が多い。
表記は、カタカナのものと日本語にフリガナのものがある。
日本語は直訳が多い。
D.Gray-man(2004~)
主な外国語:英語
タイトルは英語。
表記は日本語にフリガナが多い。
日本語は直訳に近いが、若干意味が離れたものもある。
家庭教師ヒットマン REBORN!(2004~)
主な外国語:英語、イタリア語
タイトルは英語。
表記は、日本語にフリガナが多い。
日本語は直訳。
ぬらりひょんの孫(2008~)
主な外国語:なし
トリコ(2008~)
主な外国語:英語
カタカナ表記が多いが、一部は日本語にフリガナ。
日本語は直訳のものとそうでないものがある。
めだかボックス(2009~)
主な外国語:英語
タイトルの一部は英語。
表記は日本語にフリガナが多い。
日本語は、直訳から離れるものも多い。
ワールドトリガー(2013~)
主な外国語:英語
タイトルは英語。
用語は英語が多いが、近界(ネイバーフッド)の国名はギリシャ語。
表記はカタカナが多いが、日本語にフリガナのものもある。
日本語はほぼ直訳。
僕のヒーローアカデミア(2014~)
主な外国語:英語
タイトルの一部は英語。
ヒーロー名は英語由来が多い。
個性も一部は英語。
表記はカタカナが多いが、アルファベットまたは日本語にフリガナ(SMASH、敵(ヴィラン)など)の場合もある。
日本語は直訳。
検討
整理してみると、思っていたより、英語ばかりでした。
英語以外が一定量あるのは、中国語につき、封神演義とドラゴンボール、イタリア語についてリボーン、ドイツ語・スペイン語についてブリーチくらい。
昔から一貫して英語が主流のようです。
表記についても、そこまで顕著な傾向はないようです。
ハンターハンターで日本語とフリガナの意味が違うイメージが強かったのですが、そういった作品はそこまで多くはありませんでした。
他の雑談やライトノベルに目を向けると、もっと色々な言語をベースとしていたり、表記が凝っていたりしていると思いますが、思っていたよりバリエーションがありません。
低年齢層向けには、まだまだ英語だけでも工夫によってはかっこ良さを演出できるのかも知れませんね。