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【大相撲】

稀勢の里 充実6連勝

2016年5月14日 紙面から

◇夏場所<6日目>

寄り切りで魁聖(手前)を下し、6連勝とした稀勢の里=両国国技館で(大泉謙也撮影)

写真

 (13日・両国国技館)

 大関稀勢の里(29)=田子ノ浦=は小結魁聖を寄り切り、横綱白鵬(31)=宮城野=は逸ノ城を突き落として、ともに初日から6連勝。大関豪栄道が関脇琴勇輝に押し出されて初黒星を喫したため、全勝はこの2人になった。勝ちっ放しの2人を平幕の栃煌山らを含めた6人が追う。大関琴奨菊は妙義龍にはたき込まれて2敗目。大関照ノ富士は栃ノ心に寄り切られて4連敗となった。

 慌てず、じっくりと攻めた。土つかずの稀勢の里は魁聖から左下手を引くが、なかなか上手を取らせてもらえない。我慢してから相手の巻き替えに乗じ、外四つで寄り切った。1分を超える相撲。力を出し切った土俵下で、両肩をわずかに上下させて呼吸を整えた。

 「(注意したことは)いろいろありますけど。いいんじゃないですか」。危なげなく勝ちを伸ばして6連勝。充実した内容か? と問われると「うん」と納得顔だった。

 先場所は千秋楽まで優勝を争って13勝した。いい流れが今場所も続いているせいか、朝稽古後も表情が明るい。野球やアメフット、格闘技が好きだが、以前ほどスポーツを見ていないという。「常に何かしら体は動かしたい。休みでもね。動かさないとね。そういう体になってるんじゃないかな」

 小学生のころは野球少年だった。「毎日、強制的に走らされてたね。野球の時もそうだし、家に帰ってからもね」。休みなしで体を動かす。子どものころから染み付いている土台があるからこそ、現役最古参大関として君臨し続けられるのだろう。

 気づけば大関27場所目。そろそろ初優勝が欲しいところだ。ハイレベルな内容で優勝すれば、横綱昇進の声が掛かる可能性もある。場所前、審判部は「3横綱を倒して、14勝か全勝で優勝すれば無条件」と具体的な見解を示した。2013年名古屋、14年初場所と過去2度の綱とりで陥った序盤戦の取りこぼしもない。全勝は早くも白鵬と2人だけになった。「よしっ」。声を出して立ち上がる姿に、並々ならぬ気合がみなぎっていた。 (永井響太)

 

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