熊本地震 地域経済に大打撃 生活にも暗い影

熊本地震 地域経済に大打撃 生活にも暗い影
k10010520731_201605140742_201605140743.mp4
熊本地震は地域の経済に大きな打撃を与えています。農林水産業の被害額は1300億円を超えて過去最大となったほか、いまだ事業を元に戻せない企業が数多くあり、働く人の生活にも暗い影を落としています。
熊本県で震度7の激しい揺れを観測した地震が起きてから、14日で1か月がたちます。地震は地域の経済に大きな打撃を与えています。農林水産業の被害額は12日の時点で、過去最大となるおよそ1345億円となりました。
コメ農家の中には、水田にひびが入るなどの被害が出て今季の田植えを断念するところも出ています。
熊本には年間におよそ5900万人が訪れ、観光が主要な産業の一つですが、地震によって旅行のキャンセルが相次いでいます。キャンセルは熊本だけでなく、地震の大きな被害が出ていない九州のほかの県にも広がっており、「九州観光推進機構」によりますと、今月8日までに宿泊施設の予約がキャンセルとなったのは、熊本市や阿蘇地方を除いた分で九州全体で70万件に上っているということです。熊本市などの分が加われば、キャンセルの数はさらに増えることになります。
また、熊本県内では企業が被災し、建物や生産設備が損傷したことで、いまだに事業を元に戻せないところが数多くあります。事業縮小を迫られている企業の中には、社員を自宅待機としているところもあります。
熊本労働局によりますと、先月15日から今月12日までに、仕事を失ったり休業している人たちなどから寄せられた相談は延べ1万件を超えており、収入減少など働く人の生活にも暗い影を落としています。