2016年05月13日

系統別種牡馬辞典 - リボー系その2

「系統別種牡馬辞典」内国産編第四十四弾はリボー系の続き。*マロットや*フジオンワード、*アレミロード、*ロンバード、*ジムフレンチに*ラディガなどそれなりの成績を残した輸入種牡馬の多い系統ですが、内国産種牡馬はほとんど結果を残すことができませんでした。その唯一の例外がダービー馬バンブーアトラスで、菊花賞馬バンブービギンをはじめ多数の重賞ウイナーを出して成功しました。後継種牡馬も複数輩出し、絶滅寸前とはいえ今なお父系を存続させることに成功しています。
<バンブーアトラス> (18位:1992年) ★★★★☆ (成功)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ジムフレンチ Jim French (USA) 1968
    バンブーアトラス 1979 8戦4勝
      ・ダービー
     エルカーサリバー 1989 25戦6勝
      ・日経新春杯(GII) ・ローズS(GII) ・金杯(西)(GIII) 重賞計4勝
     プレイリークイーン 1990 29戦10勝
      ・中山牝馬S(GIII)
     バンブーマリアッチ 1995 64戦10勝
      ・愛知杯(GIII)

テイエムオペラオーを管理した岩元市三師を背にダービーを制した活躍馬で、種牡馬としても菊花賞馬バンブービギンをはじめ多数の重賞ウイナーを輩出しており、当時の内国産種牡馬としてかなりの成功を収めた。母系でもサイレントハンターなどを出しているほか、後継種牡馬も複数出すことに成功し、今でも辛うじて父系で生き残っている。


<マイネルロジック> ★☆☆☆☆ (大失敗)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ジムフレンチ Jim French (USA) 1968
    バンブーアトラス 1979
     マイネルロジック 1985 7戦2勝
       ・いちょう特別(OP)
      ラッキーアズサ(f) アア 1992 1戦0勝
       ・地方未勝利

重賞勝ちはなかったが、オープンのいちょう特別で後のダービー馬サクラチヨノオーに2馬身半の差をつけて完勝した。種牡馬としては初年度に3頭の牝馬に種付けを行っただけで即廃用となっており、唯一生まれたアラブのラッキーアズサも地方で1戦して未勝利に終わっている。


<バンブービギン> (151位:1998年) ★★★☆☆ (並)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ジムフレンチ Jim French (USA) 1968
    バンブーアトラス 1979
     バンブービギン 1986 12戦5勝
       ・菊花賞(GI) ・京都新聞杯(GII)
      トウカンイーグル 1994 46戦4勝
       (2着) ・名古屋優駿(GIII)
      ヒダカビギン 1994 43戦4勝
       ・中央で4勝
      リードジャイアンツ 1995 101戦14勝
       ・中日杯(金沢) ・百万石賞(金沢) ・重賞計5勝

初勝利は3歳5月と遅かったが、夏を超えて着実に力をつけ、父が出走できなかった菊花賞で見事雪辱を果たした。種牡馬として当初は30頭ほどの牝馬を集めたが、金沢で重賞を5勝したリードジャイアンツ、名古屋大賞典で2着に入ったトウカンイーグルを出した程度で、失敗とは言えないものの父ほどの成功を収めることはできなかった。


<バンブーパッション> (276位:2002年) ★★★☆☆ (並)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ジムフレンチ Jim French (USA) 1968
    バンブーアトラス 1979
     バンブーパッション 1988 13戦5勝
       (2着) ・京王杯スプリングC(GII) ・阪急杯(GIII)
      バンブードミンゲス 1997 36戦4勝
       (3着) ・菩提樹S(OP)

バンブーアトラスの祖母*シザラのクロスを持つ馬で、重賞勝ちはなかったが、生まれ故郷のバンブー牧場で種牡馬入り。生涯で残した10頭の産駒のうち賞金を稼いだのははたった1頭だけだったが、その1頭がオープンでもそれなりに走ったバンブードミンゲスというのはなかなかのものである。ただ、繁殖入りした牝馬はいない。


<スズノミヤビオー> (501位:2015年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ジムフレンチ Jim French (USA) 1968
    バンブーアトラス 1979
     スズノミヤビオー 1999 13戦3勝
       ・中央で3勝
      ネンキンタイヨウ 2012 20戦2勝 ★現役
       ・地方で2勝

準オープンで後の重賞馬ナリタセンチュリーに先着したのが目立つ程度の競走馬だったが、宮崎県にて種牡馬入りし、今年4歳となるラストクロップまで生涯で7頭の産駒を残した。今のところ地方の下級条件で勝ち上がる馬が何頭かいるだけで、残念ながらここでバンブーアトラスの父系も途絶えることになるだろう。


<ナニワライト> (450位:1984年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  *フジオンワード Fuji Onward (USA) 1963
   ナニワライト 1971 12戦4勝
     ・シンザン記念
    ハーベストセブン 1978 86戦4勝
     ・地方で4勝

デビュー2戦目から重賞・シンザン記念を含む4連勝を達成したが、その後は勝ち星をあげることはできなかった。引退後は生まれ故郷の鮫川牧場にて種牡馬入りしたが、生涯に残した10頭の産駒から目立った産駒は現れなかった。


<モンテリボー> (デビューせず)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  *リボッコ Ribocco (USA) 1964
   モンテリボー 1975 40戦8勝
     (2着) ・京王杯スプリングH ・ダービー卿ChT (3着) ・目黒記念(秋)
    スピードエイトの1987 1987
     ・競走馬登録されず

最後まで重賞を勝つことはできなかったが、4歳から毎年のように重賞で上位に健闘する活躍を見せた。半弟にモンテプリンスやモンテファストがいる血統から種牡馬入りすることができたが、3年間の供用で唯一生まれた産駒は競走馬としてデビューすることはできなかった。


<リボオール> (444位:1986年) ★★☆☆☆ (失敗)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  *リベロ Ribero (USA) 1965
   リボオール 1971 13戦0勝
     ・重賞実績なし
    タハラハンター 1984 4戦1勝
     (5着) ・フェニックス賞(OP)

鹿児島で生まれた未勝利馬だったが、おじに Aureole がいる血統もあってか生まれ故郷の田原牧場にて種牡馬入り。10年以上に渡って供用され20頭あまりの産駒を残し、何頭かの九州産馬限定戦の勝ち馬を送り出した。母父としてもタハラハンターがひまわり賞勝ち馬タハラタイシンを出したが、今では牝系でも途絶えてしまっている。


<ハツマモル> (387位:1986年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ラディガ Ladiga (USA) 1969
    ハツマモル 1975 33戦13勝
      ・帝王賞(大井) ・金盃(大井)
     マルヤシチホウ 1982 86戦4勝
      ・地方で4勝

帝王賞を当時のレコードで制した馬で、後に中央入りし七夕賞3着などの実績を残した。引退後は生まれ故郷である福島の今泉牧場にて種牡馬入りし10頭あまりの産駒を残したが、やはり目立った産駒は出てこなかった。今では牝系からも姿を消している。


<ウインビクトリー> (486位:1989年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ラディガ Ladiga (USA) 1969
    ウインビクトリー 1977 53戦15勝
      ・札幌日経賞(OP) ・高崎大賞典(高崎)
     スガノウイン 1989 88戦11勝
      ・地方で11勝

中央でデビューしオープン特別を含む6勝をあげた後、北関東に移籍して重賞・高崎大賞典を制した。種牡馬としては4シーズンで9頭の産駒を残したが、活躍馬はいないものの7頭がデビューし6頭が勝ち上がった。繁殖入りした牝馬はいない。


<イースタンジョイ> (328位:1990年) ★★★☆☆ (並)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ラディガ Ladiga (USA) 1969
    イースタンジョイ 1978 23戦6勝
      (3着) ・中山記念 ・京王杯スプリングH
     メロンパワー 1987 41戦5勝
      ・中央で5勝

中山記念や京王杯スプリングHで3着に入ったほか、オープン特別時代のニュージーランドTを制しており、後に南関東に移籍して川崎記念2着の実績を残した。種牡馬としては4世代で10頭の産駒しか残せなかったが、そこから中央5勝馬メロンパワーを出したのは立派。ただ、今では牝系からも姿を消した。


<ハヤブサオーカン> (724位:1998年) ★☆☆☆☆ (大失敗)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  Graustark (USA) 1963
   *ラディガ Ladiga (USA) 1969
    ハヤブサオーカン 1984 50戦7勝
      ・吾妻小富士オープン(OP) (5着) ・中山記念(GII)
     ブラックカンデント 1995 49戦2勝
      ・地方で2勝

重賞には縁のない馬だったが、旧10歳でGIに出走(安田記念11着)し、オープン特別に勝利するなど当時としては珍しく高齢まで現役を続けた。種牡馬としては2シーズンで5頭の産駒を残しただけで早々に廃用となっており、目立った産駒を出すことはできなかった。繁殖入りした牝馬はいない。


<ブラボーグリーン> (デビューせず)

Tenerani (ITY) 1944
 Ribot (GB) 1952
  His Majesty (USA) 1968
   *タイトスポット Tight Spot (USA) 1987
    ブラボーグリーン 1994 27戦7勝
      ・京阪杯(GIII)
     リュウローズの2003 2003
      ・競走馬登録されず

ナカヤマフェスタの母父として知られる*タイトスポットの唯一の重賞ウイナーで、4歳夏に本格化し暮れの京阪杯を制した。引退後は青森県の後沢敏博氏の下で種牡馬入りし、4年間の供用で4頭の産駒を残したが、なぜかこの牧場の生産馬はほとんど競走馬としてデビューすることがなく、同馬の産駒も同様に競走馬になることはなかった。

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by 即身仏 2016年05月13日 23:30
バンブーアトラスやバンブービギンのレースは見た事無いですが、ビギンの産駒のトウカンイーグルが印象に残った記憶があります。
3歳時に名古屋優駿で2着に入り地方重賞でそれなりに頑張っていたので来年以降の活躍を期待していたのですが一貫性の無い使われ方の影響かは分かりませんが尻すぼみの戦績だったのが残念でした。

この様に、昔は地方ダート重賞と言えばマイナー種牡馬活躍の場という印象がありましたが、今ではそれすら薄くなっている様に感じるのは気のせいでしょうか?

この記事にコメントする ※常識的なハンドルネームでお願いします。

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
記事検索
サラBLOOD!

サラBLOOD

サラBLOOD!
価格:1,680円(税込、送料込)
楽天ブックスで詳細を見る

当ブログ「父系馬鹿」とのコラボ企画が掲載されています。

Recent Comments
Archives
QRコード
QRコード

人気ブログランキング

にほんブログ村 競馬ブログへ

QLOOKアクセス解析